「30代でババアとは片腹痛い。尿漏れしてから出直してこい」と怒られる
11月22日は私の誕生日だ。
わかったらすぐ、先日発売した『ブスの本懐』を買って燃やしてまた買え。急務だ。
ちなみに34歳になる。30過ぎたらあっという間というが、本当にこの4年ぐらい記憶がない。おそらく何もしてないせいだろう。
少なくとも若くはない。女子高生あたりから見れば、ババアを越えて遺灰だろうし、男から見ても確実におばさんカテゴリだろう。かといってババアぶると、もっと先を行っていらっしゃるババア先輩から「30代でババアとは片腹痛い。尿漏れしてから出直してこい」と怒られる。そして、熟女博士からは「まだロリコンレベル」と相手にされない。
つまり、中途半端な年代である。
私自身としては、20代後半から誕生日がくる度に「今のうちに何かしなければ」(そして何もしない)という気持ちがだんだんなくなり、親のこととか、自身の老後のこととか、新装開店より店じまいのことを考えるのが多くなった。
そう言うと、だんびらを持ったババア先輩に「30代ならまだ何でもできる。寝言は介護保険を払ってから言え」と怒られてしまうのだが、30半ばにもなって、誕生日がくる度に「今日から新しい自分」と、自分探しの旅に出てしまうのもどうかと思う。
しかし、私たちの老後はドブスである。
これは、年を取ってからもブスだという、今更当たり前のことを言っているわけではない。私たちを待ち受けている老後は、「絶世のブス」ということである。
カレー沢薫の本業は「エゴサーチャー」と「他人の不幸ソムリエ」
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