終わらなかった「アイドル戦国時代」
バンドやミュージシャンだけではない。アイドルグループも「長く続けられるもの」になってきている。
かつては全くそんなことはなかった。たとえば、秋元康のプロデュースにより1985年にデビューした「おニャン子クラブ」は、彼女たちを生み出した番組『夕やけニャンニャン』の終了と共にわずか2年半で解散。1987年にデビューし社会現象的な人気を築き上げた光GENJIも、90年代に入るとブームは沈静化、大きく人気を落としている。
アイドルグループの「寿命」は数年。それが90年代までの常識だった。
しかし、10年代のアイドルシーンはかなり様相が違うものになっている。
前述の通り、嵐やPerfumeは、デビューから10年以上のキャリアを経て、今なお第一線で活躍を続けている。モーニング娘。やAKB48などのように「○期生」のような形でメンバーの加入と卒業を繰り返し、メンバー編成を新陳代謝していくことで存続していくアイドルグループの存在も当たり前になった。
10年代前半は、「アイドル戦国時代」という言葉がメディアを賑わせることも多かった。AKB48、ももいろクローバーZがブレイクし、女性アイドルグループの市場は一気に拡大した。ただ、その一方で、80年代のアイドルブームの熱狂と終焉を知る多くの関係者は「このブームは長く続かない」と考えていた。
しかし、そうはならなかった。
(PHOTO: Getty Images)
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