CDの時代」が終わっても、ミュージシャンは生き残ることができる?

史上最もCDが売れた年である1998年以来、「音楽不況」と言われ続けてきました。しかし、アーティストは依然「生き残る」ことができています。それはなぜでしょうか?
音楽ジャーナリスト・柴那典さんがその実情と未来への指針を解き明かす新刊『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)。その内容を特別掲載します(毎週火曜・木曜更新)。

「音楽不況」は本当か?

 「音楽が売れない」と言われ続けて、もう20年近くが経つ。

 史上最もCDが売れた年である1998年に比べ、2015年の音楽ソフトの生産金額は40%に過ぎない。6074億円から2544億円へ。この17年でおよそ3500億円の市場が失われた計算になる(日本レコード協会調べ)。

 CDを買う人は年々減っている。有料音楽配信は着実に普及し、アップル・ミュージックやスポティファイなど「聴き放題」のストリーミング配信も広まりつつあるが、現時点の日本ではパッケージ市場の減少を補うほどの規模には至っていない。

 音楽業界を取り巻く環境は厳しい─。誰もがそう口を揃える。では、その主役であるアーティストたちも「生き残れない」時代になっているのだろうか?

 実はそうではない。むしろ逆だ。
 歌謡曲全盛の80年代や、「J-POP」という言葉が普及した90年代に比べても、音楽不況が叫ばれるようになった00年代以降の方が、アーティストは着実にキャリアを重ね、息の長い活動を続けることができる時代になっている。

 なぜそうなっているのだろうか?
 まず、その疑問を解き明かしていくことから、音楽シーンの現在地を描き出そうと思う。

(PHOTO: Getty Images)

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ヒットの崩壊

柴那典

「心のベストテン」でもおなじみ音楽ジャーナリスト・柴那典さん。新刊『ヒットの崩壊』では、アーティスト、プロデューサー、ヒットチャート、レーベル、プロダクション、テレビ、カラオケ……あらゆる角度から「激変する音楽業界」と「新しいヒットの...もっと読む

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コメント

gaudi08 「音楽不況が叫ばれるようになった00年代以降の方が、アーティストは着実にキャリアを重ね息の長い活動を続けることができる時代になっている」/柴那典 2年弱前 replyretweetfavorite

mash_january25 @yunism_yunism これすっげー読み応えあるよね!!! cakesの連載で欠かさずチェックしてたー(*´ ω `*) https://t.co/AiVJp25zff 2年弱前 replyretweetfavorite

Iory_Hamon よむ: 「 CDの時代」が終わっても、ミュージシャンは生き残ることができる? https://t.co/O3c2NAjVCh 2年弱前 replyretweetfavorite

obk3n メディア依存は終わったよね > 音楽不況が叫ばれるようになった00年代以降の方が、アーティストは着実にキャリアを重ね、息の長い活動を続けることができる時代になっている https://t.co/cvcQmMD98Z 2年弱前 replyretweetfavorite