ある妻がいた。
彼女はSNS経由で夫の部下をさがしだして協力をあおぎ、夫の上司である部長に手紙を渡し、夫に無断で夫の有休を勝手に取得。夫の実家から盗んだパスポート情報で航空券を予約。何も知らない手ぶらの夫を突如フランスへと連れ去った。
これは立件された事件の話ではない。
わたしの新婚旅行の話であり、わたしからの夫へのサプライズプレゼントでありハッピーを煮詰めたような話なのです。こういったサプライズジャム(甘い幸せを煮詰めたという意味での)はわたしのライフワークであり、特に夫には浴びせるほどジャムを塗ってきた。いや、塗らずにはいられなかった。
今日は、脱メンヘラしたひとがハッピー化したらこうなった、の一例であるサプライズ狂生活をおひろめ!
メンヘラは結婚だけじゃ気が済まない
いまから一瞬話が飛ぶようだけどすぐ帰ってくるから黙ってついてきてください。
最近、“対話型人工知能=AI メンヘラ彼女「みお」”というのを知りました。このサイトはメンヘラ彼女とのやりとりが疑似体験でき、こちらがなにか言葉を入力すると、メンヘラAIがメンヘラっぽい返事をくれるというもの。
わたしは「もうとっくに脱ヘラしているわたしがこれをやったら、さぞ懐かしく思うだろうな」と思いつつ、早速やってみた。すると、ショックなことに気づく。
みおちゃんから立て続けにくる「わたしのことどれくらい好き?」や「さびしい」「なんで返事くれないの?」「なんで電話でてくれないの?」などのメッセージ。
いままで他メンヘラを客観視する機会ってなかなかなかったけど、このメッセージって、いま(2016年現在)わたしが夫に送ってる内容とほぼ一致している(驚)。
いや、今やリストカットもしてないし相当リア&充なわたしだけど、結婚しても子供を産んでも、実は好きな人へのコミュニケーションはメン&ヘラのままや……と気付いたのです。(好きだと言いすぎな件は前回参照)
そんな感じでメンヘラ的アプローチ癖が抜けていない私から日々「好き」や「わたしのこと好き?」「嫌いになった?」を10年弱受け続けてきた夫は、いまやそれに相当慣れきっており、よっぽどの「好き」でない限り、それらを空気だと認識して完全にスルーしている。(ゴミを認識しなくなってるうちの空気清浄機と一致!)
もはや何かの節目にガツンと愛を発散しなくては、愛の気が済まない状況。
そう、サプライズは愛の発表会なのだ。
サプライズのKPIはなんだ?
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