新説! ブサイクはジャニヲタ女子を狙え!
能町みね子(以下、能町) ただ、私、「ジャニヲタだ、逃げろ」は違う気がするんですよね。
マンボウやしろ(以下、やしろ) お ! そういうご指摘、ぜひ聞きたいです。実は、僕、ジャニヲタについてほぼ知識がなくて。単純にジャニーズ=カッコイイ男の子たちが多い=そういう人を好きな女の人は顔面至上主義なのではないかと考えまして。
能町 人によるとは思うんですけど、そもそもジャニヲタの女の子ってイケてないんですよ。そして、そのことを自分自身でも承知している人が多い。だから、ジャニーズ大好きで番組も見逃さないし、コンサートも行くってぐらいのジャニヲタだとしても、現実にその応援している○○くんと付き合えないのは分かっているわけです。
つまり、意外と現実の出会いとパキっと分けて考えているので、ジャニヲタである自分を認めてくれる男の人とうまくいく可能性が高い。現実に彼氏がちゃんと存在するジャニヲタって多いんじゃないかな。
やしろ は——!!!! なるほど——!! スゴい納得です。ジャニヲタであることを認めれば、ブサイクからしたらジャニヲタの女の子は狙えるってことですね。
能町 「私はジャニーズ好きだし、これからもライブも行くし、番組も見るし、○○くんを追いかけるけど、ただ、あなたはあなたで現実として認めていて彼氏だと思っているからそこは分かってね」と割り切って付き合っている人、多い気がします。ジャニヲタに限らず、ビジュアル系とか何かに夢中になっているヲタの人って、そういう趣味の世界と現実を結構キレイに分けられる気がする。
例えば、昔はBL好きな女子って「現実の男と接することができないからそういう世界にハマるんだ」と言われていた部分があったけれど、最近、BL好きな人ってサラッと結婚するんですよ。結婚したうえでBLという世界を愛する。美しいものは美しいもので愛でるのだけど、現実がそうでないことは分かっていて。それはなんか新しい世界になってきたなと思うんですよね。
やしろ それは確かにニューワールドですね。文化として始まった当初は迫害を受けていたけど、だんだんメジャーになってきて、ある意味でBLも解放されていったということですね。僕、これまで生きてきてアイドルとかにハマったことがなかったから、例えばアイドルのコンサートにカップルで行くとか、全然理解ができなかった。でも、今の話を聞いて、なるほどとやっと理解できた。とりあえず、今日の話を受けて「ジャニヲタだ、逃げろ!」は撤回します(笑)。
笑顔や明るさはブサイクにこそ必要!
能町 やしろさんに聞きたいのは、男性側としてジャニヲタであることを拒否しないでいられるものですか? 彼女が自分のこと以上に誰かに熱を上げていて、その人が出ている番組はすべて録画して、家でもずっとコンサートDVDとか見るという状態。
やしろ ……そう考えると、僕は無理ですね。単純に嫉妬しちゃうかもしれない。僕、恋愛に関しては「お互いが唯一というものでないとたどり着けない場所」があるのではないかと思うときがあって。そういう考え方なので、彼女が「現実にはありえない」と言いながらも他の人を好きだと公言されている状況に嫉妬してしまう気がするんです。
能町 嫉妬するんですね! では、男の人の立場から、逆にあまりかわいくないとか、ちょっと太っているとか、そういう部分のある女の子でも「この子、いいな」と思うには、何があればいいと思いますか?
やしろ 僕に関して言えば、本当に見た目重視だった20代から30代になって変わったのは「明るい子」に惹かれるということですね。明るさってとんでもない武器だなと。みんなが努力して手にしているいろんな技とか生き方とかあるなかで、根本的に明るいという強さというのはスゴく揺るぎなくて惹かれるものがある。
能町 へぇ~ !!! そんな根本的なところに! それは面白いし、スゴく良い話ですね。
やしろ 自分にいろいろあったときに、すぐ近くに明るい子がいたら確実にエネルギーになるし、沈まなくて済むし。そういうパワーが一族に入ることも大事だなと。明るさを持っている子はスゴいなと。
能町 それに似たようなことを言われたことがあるのを思い出しました。私、写真を撮られるときに笑うのがすごく苦手で。自分では結構笑っているつもりなのに「笑顔でお願いします」と言われると、ものスゴくぎこちないうえに単にブサイクになったりすることが多くて「いっそ笑顔でないほうがマシ」と思っていたんです。
でも、それを誰かに話したら「それはダメだ。ブサイクなうえにむっつりしていたらもう救いようがない」と一刀両断されて(笑)。笑顔が汚かろうがぎこちなかろうが、とにかくこの人は悪い人ではないと示すためには笑顔じゃなきゃダメなんだと力説され、ちょっとハッとさせられて。
やしろ ふはは。それは本当にそう思います。相手に敵じゃないことを示さないといけないですからね。シンドバッドのアニメかなんかでも「どんな交渉術よりも笑顔でいることが一番だ」というセリフがあった気がします。
能町 ふふっ。なんか話がいよいよ自己啓発セミナーみたいになってきましたね(笑)。
やしろ そうなんですよ。結局、見た目とかコンプレックスって話になると、着地点って自己啓発っぽくなってしまうんですよね(笑)。
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