私にとって「戦争」はお説教でしかなかった

第二次世界大戦中、フランスの敵国だった日本。フランス人の妻と結婚した牧村さんが義祖父であるルネおじいちゃんから当時の話を聞く中でふと思い出したのは、日本人の祖父のことでした。
牧村朝子さんによる渾身のノンフィクション連載です。(初回はこちら

祖父は人を殺していないと思う。

ルネおじいちゃんを前にしながら、私は亡き祖父に想いを馳せた。昭和8年生まれの祖父は、第二次世界大戦当時、まだ少年だった。戦争体験を語ってくれたことは、私の記憶にある限り、ただ一度きりである。

その朝、祖父はNHKの連続テレビ小説を見ていた。私はまだ8歳くらいの子どもで、よく意味が分からないままテレビ画面を眺めていた。どこかの学校の校庭が映し出され、子どもが車輪のようなものの中で手足を突っ張ってぐるんぐるん転がっていくシーンになった。

私は、ハムスターみたいだな、と思った。昭和の子どもたちは、人間用の回し車で遊んでいたんだろうか、と。

「おじいちゃんもヨカレンであれをやったんだぞ」

急に、祖父が画面を指さした。

ヨカレン?

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ルネおじいちゃんと世界大戦

牧村朝子

第二次世界大戦終戦から、今年で70年。「戦争」という言葉を聞いて、みなさんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか? 日本人にとっての戦争は、映画や教科書や遠い国のニュースの中のものとなりつつあります。そんな中、フランスで国際同性婚を...もっと読む

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コメント

i_zawa  「反戦」アレルギー、みたいなひとたちも似たような幼少時代の経験があるのかなあ?と少しおもった 2年弱前 replyretweetfavorite

tipi012011 身近に戦争のことをリアルに話してもらえる方が居るって羨ましい。私の周りにはとっくに居なくなってしまったから。 2年弱前 replyretweetfavorite

makimuuuuuu 「祖父は人を殺していないと思う。」……元フランス陸軍大佐が語るノンフィクション「 2年弱前 replyretweetfavorite

Singulith >「憎しみに駆られ、無抵抗のナチスドイツ兵を殺そうとする部下を、ルネおじいちゃんが止めた理由は「国際法」だと言っていた。ドイツ人は敵だった、日本人も敵だった、そして、人を撃つことは「なんとも思っていなかった」」  https://t.co/bYkI2q2Q0h 2年弱前 replyretweetfavorite