鶴瓶のスケベ学

私ももう19歳やし、結婚のことは考えてしまうよ」「ほんなら、ぼ、僕と結婚してくれるか?」

「影の笑福亭鶴瓶」こと妻・玲子さん。彼女もまた大胆な人でした。初体験はもとよりキスより前の結婚の約束。そして、二人が結ばれるまでの、純情なお話の続きです。
芸歴40年を超える大御所芸人、笑福亭鶴瓶。還暦を過ぎた今も、若手にツッコまれ、イジられ、“笑われ”続けています。そんな鶴瓶さんの過剰なまでに「スケベ」な生き様へ迫る、てれびのスキマさん評伝コラムです。

その日、笑福亭鶴瓶はラジオの公開収録のため、あるホテルのプールサイドにいた。
プールには、普通に泳ぐために来た人、公開放送を見るために来た人など、多くの人で埋め尽くされていた。

鶴瓶はそんな光景を見ながらいつものように軽快にしゃべっていた。

しばらく、しゃべってふとプールに目をやると、そこにいるはずのない人の姿があった。

なぜかプールにプカプカと浮いているのだ。
遠距離恋愛中の怜子である。

怜子の行動力が起こした運命の事件

のちに妻となる玲子は、大学卒業後、実家のある松山に戻り会社勤めをしていた。
数日前から玲子は会社の有給を取って松山から大阪に訪れていた。だが、この日は帰らなければならない、もう飛行機に乗るために空港に向かっていないといけない時間だった。

プールにプカプカと浮いている玲子を見て鶴瓶は焦った。

(何してんねん? 間に合わないやないか)

玲子は鶴瓶の視線に気づくと、鶴瓶の心配をよそにのんきに手を振り始めた。
そして、小さな紙切れを掲げ、それを細かくちぎったかと思うと、紙吹雪のように散らしてしまった。
プールに美しく散る紙吹雪。それは帰りの飛行機のチケットだったのだ。

「わたし、もう帰られへん」

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cakes連載を全面修正・加筆した、スケベで奥深い人生哲学が一冊になりました。

笑福亭鶴瓶論 (新潮新書)

戸部田誠(てれびのスキマ)
新潮社
2017-08-10

この連載について

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鶴瓶のスケベ学

てれびのスキマ(戸部田誠)

芸歴40年を超える大御所芸人、笑福亭鶴瓶。還暦を過ぎた今も、若手にツッコまれ、イジられ、“笑われ”続けています。しかし、落語家なのにアフロヘアでデビュー、吉本と松竹の共演NGを破った明石家さんまさんとの交流、抗議を込めて生放送で股間を...もっと読む

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コメント

danilo513 玲子さんの遺産を放棄した話もすごいと思いました。 1年以上前 replyretweetfavorite

MG_shinjyuku 「オレ、いまでもウチのやつのことがいちばん好きやねん。」素敵すぎる!|てれびのスキマ(戸部田誠) @u5u | 1年以上前 replyretweetfavorite

happy_education 泣いてまうよ…。 1年以上前 replyretweetfavorite

commetadventure 師匠、本当に格好いい// 1年以上前 replyretweetfavorite