原作者と漫画家という2つのオリジナルの間で

「恋人が惨殺され、そのショックから多重人格者となった元刑事が、次々と起こる猟奇殺人事件の謎を追う」という伝説のショッキング・サスペンス『多重人格探偵サイコ』。
19年の月日を経て完結した本作について、インタビュー後編では、原作者である大塚英志さんとの出会いをお聞きします。物語の内容にリンクするように、原作者の大塚さんと漫画家の田島さんの2つの人格があったからこそ出来上がった作品だといいます。

原作者・大塚英志さんとの出会い

— そもそも田島さんが『多重人格探偵サイコ』(以下、『サイコ』)の原作者である大塚英志さんと初めてお会いしたのっていつ頃なんですか?

田島昭宇(以下、田島) 俺がデビュー前に初めて持ち込みした時の、最初の担当が大塚さんだったんです。二十代のはじめごろかな。

— 田島さんがデビュー前となると、お二人はかれこれ30年近くの付き合いということになりますね。

田島 ねえ、長いですよねえ。でも、ここ10年ぐらい会ってないですよ。この間すごく久々に、偶然会ったのは京都で。サイン会の時に京都駅前のビジネスホテルに泊まったんですけど、次の日の朝、俺と担当さんで朝飯食いに行こうって歩いてたら交差点で大塚さんとバッタリ会いました。

— その時は何かお話はされたんですか?

田島 子供生まれたんだろって言われて、軽い話を少しだけしましたね。大人の話というか当たり障りのないようなことを。漫画のことは全然話してない(笑)。

— おお、そうなんですね。出会われた当初の大塚さんの印象って覚えてますか?

田島 う〜ん、フリーの編集者ってこんな感じなんだっていうか。大塚さんはたしか白夜書房と徳間書店ともう一社でフリー編集者をやってたんですよ。

— 持ち込みはどの出版社にされたんですか?

田島 最初は白夜書房に持ち込みに行きました。そこで大塚さんに会って初めての担当編集者になって、それから大塚さんに呼ばれるようにして徳間書店の方に行くようになったんです。

— 最初に白夜書房に持ち込みをしたのはどうしてだったんですか?

田島 俺は専門学校辞めてすぐだったんだけど、その頃、白夜書房ですごくマイナーなコミックがあって、すぐに仕事もらえるかなって思って。

— そこからお二人の関係性が始まっていったんですね。『サイコ』は『魍魎戦記MADARA』(以下、摩陀羅)同様に、大塚さんが原作で作画が田島さんでクレジットされています。
 19年同じ漫画を描き続けてこられたお二人の名前が並んでいると、なんか歴史みたいなものを感じます。

田島 すごいねえ。でも、微妙な気持ちもあったりして。愛憎関係っていうんでしょうか。しょうがないです。複雑というか、この長い時間の中でいろいろありましたから。

— 一概に原作者、編集者と漫画家とは括れない関係ということでしょうか?

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田島昭宇と『多重人格探偵サイコ』の19年

田島昭宇

漫画表現において、圧倒的な白と黒の表現力で見る者の心を掴んで離さない漫画家・田島昭宇さん。画業30周年の今年、1997年から連載が開始した『多重人格探偵サイコ』が19年の月日を経て完結しました。 「恋人が猟奇殺人犯の被害に遭い、そのシ...もっと読む

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コメント

t_tomono @t_oku なんと繋がってなかった。この記事の有料版のところにそこらへんがあった。1週間無料だったからこれだけ読んで購読止めた。 https://t.co/7OFGn0Uy9m 5ヶ月前 replyretweetfavorite

manaview 今年はメルマ旬報で田島昭宇さんにイラストを描いていただいたり、インタビューさせていただいたりと全く想像しなかったことがあって幸せでした 1: 約2年前 replyretweetfavorite

v_i_v_i_a @tetora13 あとこちらのチェックがもしまだでしたら… https://t.co/cvcTtEQS6M 2年以上前 replyretweetfavorite

giogram 途中10巻から大塚英志は関わってなかったのかよ。 2年以上前 replyretweetfavorite