いきものがかり・水野良樹が語る「音楽の危機」

10年代に入り、「ヒットの方程式」が成立しなくなりました。そのことについて、J-POPのシーンのど真ん中で活躍するいきものがかり・水野良樹さんはどう感じているのでしょうか?
音楽ジャーナリスト・柴那典さんがその実情と未来への指針を解き明かす新刊『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)。11月15日の発売に先駆け、その内容を特別先行掲載します(平日毎日更新)。

いきものがかり・水野良樹が語る「J-POPの変化」

 10年代は、さまざまな意味で「ヒットの方程式」が成立し得ない時代となった。ヒット曲は、もはやお茶の間のものではなくなった。
 しかし、「みんなが知っているヒット曲」がなくとも、ファンを増やし、動員を稼ぎ、ライブを主軸に活動を続けていくことができるようになった。

 その変化を、J-POPのシーンのど真ん中で活躍してきたアーティスト自身はどのように感じているのだろうか。そのことを尋ねるべく、いきものがかり・水野良樹にインタビューを行った。

MTV Student Voice Awards 2008(PHOTO: Getty Images)

 「やっぱり、かつてはヒット曲に関するルールがもう少しシンプルだったんですね。それが、00年代の後半から10年代に入って『何をヒット曲とするのか』というルールがだんだんわかりづらくなっていった。ランキングだけではわからなくなった。だからこそ、ヒット曲というものをみんなが認識しづらくなってきたんだと思います」

 彼も小室哲哉と同じく、このように指摘する。
 いきものがかりは2006年にメジャーデビューしたグループだ。メンバーは、ボーカルの吉岡聖恵、リーダーでギターの水野、ギター・ハーモニカの山下穂尊という3人。
 「ありがとう」「YELL」「じょいふる」など数々のヒット曲を送り出し、2016年にはデビュー10周年を迎えている。

 まさに彼らは00年代後半から10年代のJ-POPのシーンを代表するアーティストであるわけだが、そこに至るまでは決して順風満帆な道程ではなかったと水野は振り返る。

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コメント

kazukingdomdom いつからヒット曲は、音楽は社会に影響を"与えなければ"いけなくなったのかな? 1年以上前 replyretweetfavorite

yosuke427 この手の危機に繋がる文脈が理解できないんだよなぁ…。音楽を特別視したい気持ちもわかるけど、社会に影響しなきゃいけないものでもない。→ 1年以上前 replyretweetfavorite

souvenir038 ビジネスとして成立していたとしても、みんなが共有できるヒット曲がないということは、音楽が社会に影響を与えていると言い切れないということ。社会全体から見て、極端に言えばどうでもいいものになってしまう。 1年以上前 replyretweetfavorite

sui_sei 書籍の内容もとても気になる。CDだけでなく、本も売れない時代。エンターテインメントが時代に影響を与えないことで、なにかが壊れている気がする。- 1年以上前 replyretweetfavorite