「女は若ければいいというわけではない」と言っている女は、5億%〝若くない〟女
書籍版『ブス図鑑(仮)』収録分の原稿を書き終え、やるべきことは終えたと思っていたのだが、連載の方はもう少し続く、というのを思い出した。
ナニ事も、ホイッスルが鳴った後に「延長戦」と言われるのは辛いことである。相手がブスなら、なおさらだ。
しかし、ブスに終わりはないし、私個人としても三十半ばになった今からが本番だ。今までなどタイタニックでいえば、まだジャックとローズが甲板で何かやっているところだ。これからガンガン沈むのである。
「女は若ければいいというわけではない」と言っている女は、5億%〝若くない〟女なのだが、身体的にはどうがんばっても下り坂になってくるのは事実だ。そこで踏ん張るか、転がり落ちるかは人による。私などは「自然なことなのだから仕方がない」と今にも土に還らんばかりに諦めていたつもりだったのだが、正直、加齢によって現れるブスというものを舐めていた。
先日、友人の結婚式があった。
余談だが、私は友人が極めて少ないため、結婚式などに出席することが非常に稀である。よって、ご祝儀貧乏とは無縁である(他の貧乏とは大体友達)。このように友達が少ない、というのは節約になるのだ。よって、これからは「友達が少ない」などとネガティブな言い方をせずに、「友人を削減することにより、コスパの向上を図っている」と変なデザインのメガネを押し上げながら言えばいいと思う。
そんな数少ない友人の門出を祝う席に、あまりみすぼらしい女がいては申し訳ない。一着しか持ってない冠婚用のドレスには、既にクリーニングでも取れない謎の油染みが飛散しているのだが「せめて髪ぐらいは」と、プロにセットしてもらった。
「私ももう三十だし、そろそろ毛根死んじゃうだろうな」とは、なかなか思わない
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