代表理事と会社員。本業を2つ持つという働き方の実験|藤本あゆみ(at Will Work)〈後編〉

テクノロジーにより女性が直面する問題の解決を目指す、グーグルの「Women Will プロジェクト」に参画した藤本あゆみさん。営業マネージャーとしても成果を上げていましたが、新しいことを始めるタイミングだと考えて退職を決意。社団法人at Will Workを設立します。それと同時に、金融サービスを提供する株式会社お金のデザインの広報マネージャーにもなりました。藤本さんはどうやって、代表理事と正社員としての仕事を両立しているのでしょうか。藤本さんをゲストに迎えるシリーズの最終回です。

今度は私がフラフラする番だ、とグーグルを退職した

—「Women Will プロジェクト」が軌道に乗ったタイミングで、なぜグーグルを辞められたんですか?

 やめようと思ったきっかけも、またWomen Will プロジェクトだったんです。子どもがいる女性でも働きやすい環境をつくるためには、男性も含めた同僚や上司の働き方も変えていかなければいけない。もっと集中的にこの問題に取り組みたいなと。そして、背景には夫の存在がありました。

—旦那さんが「辞めなよ」と言ってくれたんでしょうか。

 夫は、4年くらい前に会社を辞めて、そのあと2年半ずっと「やりたいことが見つからない」ってフラフラしてたんです。

—自由ですね(笑)。

 それを思い出すと、私も2年半くらいはフラフラしていいんじゃないかと思って(笑)。「辞めて、仕事が見つからなかったら養ってもらおうかな」と言ったら、「いいんじゃない」と軽くOKしてくれたので、決心がつきました。それで「社団法人at Will Work」を立ち上げようと考えたんです。社団法人にするかどうかは決めていなかったのですが、準備をする時間をとるためにも辞めてしまおうと。そうしたら辞めたタイミングで、株式会社お金のデザインに転職したグーグルの元同僚から、「辞めたなら遊びにおいでよ」って声をかけてもらったんです。

—それは、リクルーティング的なお誘いだったんですか?

 最初はそういうつもりでもなくて、ただその会社で始める「THEO(テオ)」というスマホでできる資産運用サービスの話を聞きにいきました。聞いてみたらすごくおもしろいサービスだったから、何かお手伝いしたいなと思ったんです。でもこういう商材って、証券営業の資格がないと営業できないんですよね。私が主にやってきた仕事は営業だったので、ここでは私はできることがないと思いました。でも、一応会長の谷家に会ってみないか、と言われてスカイプ面談を設定してもらったんです。

—谷家衛さんは、あすかアセットマネジメントの創業者であり、ライフネット生命やISAK(International School of Asia, Karuizawa)の発起人でもある方ですよね。面談、どうでしたか?

時間を決めず、ミッションベースで働くからこそ両立できる

 おもしろかったです。つくろうとしている社団法人の話をしたら、「君が言いたいことと、お金のデザインでやりたいことは一緒なんだよ」と言われて。最初は何がどうつながるのか、さっぱりわかりませんでした(笑)。それを正直に言うと、「いろいろな不安があるから、みんな自由に働けない。その不安のうちのお金の部分を取り除いてあげたら、もっとみんなクリエイティブになれると思わない?」と言われて、そうだなと思ったんです。現状は個人の資産運用をサポートするのがメインのサービスだけれど、その先には人のチャレンジを応援するというミッションがあると。それはたしかに、同じところを目指していると納得しました。

—じゃあ、谷家さんに説得されて、お金のデザインの仕事もやることになった。

 最初は社団法人の活動もあるので、「業務委託で、週3回勤務でどうでしょう」と提案しました。そうしたら谷家会長に、「君が実現したい、働きやすい社会ってどういう社会?」と聞かれて。「自分の働き方を選択できて……」といろいろ話したら、「自分自身、そういう働き方はできないと思っているから、複数の仕事をするなら業務委託でと決めつけてるんじゃないの?」と痛いところを突かれたんです。

 2つの会社で働くとなると、労働基準法的には8時間+8時間で、1日16時間働いていることになる。でも実際、そんなわけないですよね。それでもう、自分の仕事を時間で割り振るのをやめたんです。その代わり、四半期単位で自分のミッションを決めて、それを3ヶ月かけて達成することにしました。これは、グーグルでずっとやっていたことだったんです。

—ミッションベースで働くことが。

 グーグルでは、OKR(Objective and Key Results:目標と主な結果)という仕組みがあり、達成目標とその成果をまわりと共有します。それと一緒です。私はお金のデザインでは何をする人で、どういうインパクトを会社にもたらすのか。自分のミッションと会社におけるミッションをリンクさせ、社団法人での仕事もあわせてどう表現するか、ということにトライしています。

それぞれが意志をもち、自分らしく働ける世の中に

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