営業で先が見えてきたときに、Women Will プロジェクトに参加した
——2009年からグーグルの広告営業の仕事を始めて、何年続けられていたんですか?
2015年に辞めるまでやっていたので、トータル7年くらいです。営業の中で、アカウント・エグゼクティブやマネージャーも務め、いろいろやってきたのですが、だんだん同じことの繰り返しになってくるんですよ。自分がどうやったら仕事で貢献できるかもわかってきたし、どう求められるかもわかってくる。だからそれに応えることはできるけれど、新しい挑戦ができなくなっていると気づきました。そこで環境を変えようと、2014年には社内公募プロジェクトに応募してシンガポールに2ヶ月行き、ベトナムチームの立ち上げの手伝いをしました。でも、場所は変わってもやることはけっきょく同じだなと。
——行き詰まりを感じていた。
はい。そのとき、「Women Will」というプロジェクトに参加しようと考えたんです。Women Willは、女性のテクノロジー活用を促進することで、各国の女性が直面する問題を解決しようとするプロジェクトです。アジア太平洋地域全体で取り組んでいます。インドでは、女性のインターネット利用率の低さを解決するために、自転車で田舎の村に携帯電話を持っていって使ってもらう、みたいなことをやっていました。それは、日本では必要ないですよね(笑)。では、日本にどんな問題があるかと考えたときに、女性の出産後の復職率の低さに注目が集まりました。
——働いている女性の約6割が、第一子出産前後に離職しているんですよね。
そうなんです。このプロジェクトでは、離職した方などにヒアリングをしたところ、続けられない理由として「会社にいなければ仕事ができないから」「遅い時間の会議などに出られないから」といった意見が出てきていました。だったら、それはテクノロジーで解決できるのではないか、という発想でした。海外のスタッフとテレビ会議をしていたりすると、普通に家にいて、子どもが走り込んできてちょっと相手して、また会議に戻ってくるなんてのは、よくあることです。時差があると、オフィスにいられる、あるいは、きっちり自室にこもれる時間に会議ができるわけではない。それを強要するのはナンセンスだ、とこのプロジェクトでは考えていました。でも仕事はちゃんと成り立っていたので、こういうフレキシブルな働き方を推進すればいいのではないか、というわけです。
そもそも、必要のない会議が多すぎるんですよね。
——これは、耳が痛い企業も多いのでは……(笑)。
大きく考え、小さく始める。それが一歩目を踏み出すコツ
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