「イモトのWiFi」「関口宏のニュース」「和田アキ子の長崎旅」
海外へ行く際に何度か借りたことがあり、時折、「イモトのWiFi」から宣伝メールが届く。イモトアヤコの名前を冠した海外WiFiレンタルサービスなのだが、メールを確認する度に、海外滞在の頼みの綱となる「WiFi」を背負うイモトへのプレッシャーを推し測る。「関口宏のニュース」「明石家さんまのトーク番組」の場合、関口宏もニュースも明石家さんまもトーク番組も抜群の安定感を有しているわけだが、「イモト」と「WiFi」って、いずれも「場合によっては、うまくいかないこともある」という可能性を含んでいる掛け合わせである。
でも、「関口宏のWiFi」では使えても都内と古都くらいという感じがするから、使える範囲の広さを力強く訴えかける意味で「イモトのWiFi」は誰よりも効果的な人選ではある。「どこだって大丈夫」の代名詞がイモトなのだ。『(人物名)の(内容・商品名)』という番組や商法は、人物名への信頼で成り立っている。秘境や高山など不安定な場へ突入し続けるイモトは、芸能界におけるこのポジションを専有している。作る側も「この人がどこかへ行けば、満足するものがお届けできる」という確信に満ちている。
10月16日(日)のゴールデンタイムは民放各局がしのぎを削る編成だった(1局を除く)。日テレが人気番組を合体させた『鉄腕DASH!×イッテQ』、テレビ朝日が深夜枠とのダブル放送に踏み切った『日曜もアメト——ク!初回2時間SP』の初回、TBSが復活した『クイズ・スター名鑑SP』、テレビ東京が狩野アナの卒業を伝える『モヤモヤさまぁ~ず2SP』。結果、その他の番組をダブルスコア以上で突き放し『鉄腕DASH!×イッテQ』が20・5%で圧勝したのだが、とにかくフジテレビ『大物芸能人ジャーニー2016』が、時間をたっぷり使って敗北を宣言するような番組構成で驚いた。2時間使って、和田アキ子が長崎へ、長嶋一茂が京都へ行く。「大物×ジャーニー」という自ら課した掛け合わせを実践してはいるのだが、そもそもこちらはその実践を待望してはいない、という空しさが立ち込めていた。
ラテ欄が教えてくれること
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