花澤香菜「『3月のライオン』のひなちゃんは、憧れの女の子」

大ヒットマンガ、待望のアニメ化! ヤングアニマルで連載中のマンガ『3月のライオン』は、深い孤独を抱えた17歳のプロ棋士・桐山 零(きりやま れい)と、川本あかり・ひなた・モモの3姉妹の心の交流を描いた作品です。この大ヒットマンガが、〈物語〉シリーズなどで知られるシャフトの制作で、10月8日よりアニメ作品として放送開始しました。今回は、原作の大ファンで、アニメでは次女・ひなたを演じる声優・花澤香菜さんに、作品の魅力をたっぷり伺いました。注目すべき"シャフト感"はどこにあるのか? 全3回でお届けします。

『3月のライオン』で、シャフト演出が見られるのが何より嬉しい

— 花澤さんにとって、『3月のライオン』は「大好きなマンガ」だそうですね。

花澤香菜(以下、花澤) はい、アニメ化が決まる前から、個人的にお気に入りの作品でした。もともと羽海野チカ先生の『ハチミツとクローバー』のファンで、先生の新しい作品ということで手にとり、見事にハマりました(笑)。

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)
3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)

— アニメの制作を手がけるのは、シャフト・新房昭之監督ですね。

花澤 シャフトさんと新房監督とは、〈物語〉シリーズをはじめ、何度も一緒にお仕事をさせていただいていて、今回も参加できてとても嬉しいです。アニメでは、原作の長いモノローグから、「ぱぱーん」「モニャモニャ」「ゴゴゴゴ…」みたい擬音まで、余すことなく要素を拾っているんです。そこにさらに"シャフト感"がプラスされているので、原作のファンの方、シャフト作品のファンの方、どちらにも楽んでいただけるはずです。

シャフトは日本のアニメ制作会社。主な作品に、西尾維新の小説シリーズをアニメ化した〈物語〉シリーズ、テレビ版・映画版ともに大ヒットしたオリジナルアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』など多数。以上2作品をふくめ、多くのシャフト作品において新房昭之氏が監督を務めている。

— それは楽しみです。花澤さんにとって、ズバリ「シャフト作品の魅力」とは?

花澤 やっぱり、独特の演出ですね。例えば、シャフトさんは風の演出がとても素敵です。羽海野チカ先生も、「風の演出をアニメ化で一番楽しみにしている」とおっしゃっているほどなので、是非注目してみてください。
そして、なんといっても色使い。アニメ版は、基本的に原作に忠実ではあるんですが、主人公・零(れい)ちゃんのどんよりとした心理描写のシーンでは、黒と白が大胆に使われています。そういった、ここぞという時の思い切りのいい色使いは「ああ! シャフトさんだ!!」とワクワクしますね。あとは……


『3月のライオン』の主人公・桐山 零(きりやま れい)。六月町に一人で暮らす、プロ棋士の高校生。周囲に馴染めず、孤独な生活を送っている。

— どんどん出てきますね!

花澤 あはは、普通にファン目線で話してしまっていますね。
あとは、カット割りでしょうか。キャラクターの姿が、あっちからもこっちからも見える演出が来ると、「あ! シャフト、シャフト!」と、またまた大興奮しちゃいます(笑)。そういう演出が、『3月のライオン』で見られるのはとても嬉しいです。

— 一方、声優として出演する立場での、シャフト作品の特徴はありますか?

花澤 シャフトさんの場合、芝居に自由度を与えてくれることが多いかもしれません。事前に「後でうまく合わせるので、セリフの尺を気にせず喋ってください」と言っていただけるのは、ありがたいですね。

ひなちゃんは、正義感の強い"憧れの女の子"

— 原作にも、制作を担当するシャフトにも、思い入れのある花澤さんですが、アニメ版への出演が決まった時はどんな気持ちでしたか?

花澤 ただただ嬉しかったですね(笑)。オーディションがあると聞いた時は、「女子キャラの数は限られているけれど、なんとか関われたらいいな」と思って、一次のテープオーディションでは、あかり・ひなた・モモの3姉妹、すべてに応募しました。


左奥から川本家長女のあかり、次女のひなた、三女のモモ。川本家の3姉妹は、孤独な生活を送っている零(右手前)を、あたたかく迎え入れてくれる。

— 川本家の3姉妹といえば、『3月のライオン』ではとても重要なキャラクターですよね。

花澤 ええ、原作を読んでいる時も、この可愛らしい3姉妹が一番気になっていたんです。主人公の零ちゃんに辛いことがあった後に、彼女たちがお家で迎えるシーンが本当に大好きで、すごく安心できるんですよね。
『3月のライオン』は、零ちゃんと川本家が背負った重い過去、そしてそれぞれが直面する辛い出来事が、密度濃く描かれている作品なんです。その中で時折出てくる3姉妹による"ほんわか"な要素は、物語にとっても、読者にとっても、救いになっていると思います。

— そんな3姉妹の中で、花澤さんが演じることになったのは、次女の「ひなた」。花澤さんから見て、彼女はどんなキャラクターですか?

花澤 ひなちゃんは明るくて前向きで、正義感の強いキャラクターです。原作を読んでいた時は、ひなちゃんの明るさと無邪気さに癒されて、その正義感から、勇気をもらっていました。一言で言えば、"憧れの女の子"ですね。


川本ひなた。中学2年生で、明るくがんばりやな性格。料理は少し苦手。マンガでは、いじめられていたクラスメイトをかばったことで、次のいじめの標的にされてしまう。

— 物語が進んでいくと、ひなたには学校で辛い出来事が次々と起こりますよね。

花澤 はい、そこで立ち向かうひなちゃんの姿がとても勇敢なんです。だけど、あまりにも辛すぎる境遇に直面して、涙を流してしまう。でも、その涙は「悲しい涙」ではなく、なんと「悔し涙」。そこが、すごくかっこいいんですよね……。


『3月のライオン』5巻より、ひなたの涙 © 羽海野チカ/白泉社

それに、ひなちゃんはどんなに辛い目に遭っても、そのまま堕ちていくんじゃなくて、素敵なお姉さんとおじいちゃん、そして頼もしい存在に成長していく零ちゃん、といった周りのみんなに支えられて、学校生活に向き合っていくんです。その姿が『3月のライオン』の中でも特に魅力的で、とても演じがいがあるキャラクターだと思っています。

— 演じてみて、ひなたの印象は変わりましたか?

花澤 いざ自分が演じるとなると、やっぱり難しかったですね。ひなちゃんはとにかく純粋で、みんなを引っ張っていく力がある女の子なんです。しかも、周りを巻き込んでいくのも、無理やりではなくて、天然でやっているところがとても魅力的で。そこをどう表現するか、とても迷いました。

— 家でも、たくさん練習したんでしょうか。

花澤 不安だったので、結構練習しましたね。アフレコする段階ではすでにアニメの画もあって、目の前に動いているひなちゃんがいるんです。それで、ますます「これ、どうやってやろうかな」という気持ちになっていて……でも、いざ実際に収録が始まると、かなり心も落ち着きました。

— その不安は、どうやって解消したんですか?

花澤 アフレコが始まって画にみんなの声が入ると、目の前に川本家の食卓が広がっているように感じたんです。それで、原作の零ちゃんと同じように、私もすごく安心できました。現場でも、事前に「ここは、こうやって演じるぞ!」と考えたことをやるのではなく、他の声優さんとの掛け合いの中で、ひなちゃんになった私から出てきた言葉を、自然にのせることにしました。


『3月のライオン』1巻より、あたたかな雰囲気がただよう川本家の食卓 © 羽海野チカ/白泉社

— 事前にシュミレーションをしすぎてしまったんですね。

花澤 そうだったみたいです(笑)。1話の収録が終わった後は、「家であんまり練習しすぎない方がいいな」と思って、それ以降は現場での空気感を大切に演じるようにしています。


次回「弟と私は、踏み込まない関係なんです!」は10月19日(水)更新予定

構成:山本隆太郎


これは、様々な人間が何かを取り戻していく優しい物語。
そして、戦いの物語。

この連載について

3月のライオン』アニメ化記念、花澤香菜インタビュー

花澤香菜

大ヒットマンガ、待望のアニメ化! ヤングアニマルで連載中のマンガ『3月のライオン』は、深い孤独を抱えた17歳のプロ棋士・桐山零(きりやま れい)と、川本あかり・ひなた・モモの3姉妹の心の交流を描いた作品です。この大ヒットマンガが、〈物...もっと読む

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コメント

takashim216 ひなちゃん♪ 7日前 replyretweetfavorite

M_slash_K #3月のライオン 祝第2クールスタート! 11ヶ月前 replyretweetfavorite

dast1031 https://t.co/yekguqAQCj 約1年前 replyretweetfavorite

kiniroudon @SilentTruth007 you already done the old one. https://t.co/X2kYE26bJE 約1年前 replyretweetfavorite