『レ・ミゼラブル』2012年(英)監督/トム・フーパー
フランス革命後の19世紀フランス。
ヒュー・ジャックマン演じる主人公のジャン・バルジャンは、貧しさに耐えかねてパンひと切れを盗んだ罪で、19年もの服役生活。社会への憎悪を募らせるも、仮出獄後に司教の真心に触れ、改心を決意。仮出獄証を破り捨て、身分を隠して新しい人生を始めます。そうして市長にまで上り詰め、アン・ハサウェイ演じるファン・テーヌに出会い、死に際に彼女の愛娘・コゼットの未来を託される…というお話。
悲劇のお母さん、ファンテーヌ役のアン・ハサウェイがいい! 天使の歌声を持つイギリスのおばさん、スーザン・ボイルが歌ったことでも有名な『レ・ミゼラブル』の代表曲『I Dreamed a Dream(夢やぶれて)』を、丸刈りの頭で歌うシーンは、完全に鳥肌もの。
というか、2時間半の上映時間、そのほとんどを鳥肌とともに過ごすといっても過言ではありません。というのもこの映画、全編にわたってほぼ俳優の歌で構成されている純ミュージカル映画で、口パク一切なし。歌と演技の同時収録にこだわって作られたのです。
そしてヒュー・ジャックマン最強。巨大な丸太をひとりで担ぎ上げる剛力ぶり、薄着になった時に見せる異常なガタイ、ウルヴァリンにしか見えません。そしてその肉体から放たれるのは、トニー賞の圧倒的な歌唱力です。何でしょう、この人は。言えることはただひとつ、惚れます。