「チンポというのは……」
突然、立川談志が語りだした。
2010年、癌で入院中の立川談志を笑福亭鶴瓶が見舞った時だ。
病状は厳しい状況が続いていた。口を開くのもツラい症状だった。
そこには荒々しい落語の革命児の面影はなかった。
二人きりの病室。談志は軽く挨拶をした後は、何も口を開かなかった。
鶴瓶もそんな空間がどこか心地よくて黙っていた。
穏やかにゆっくりと時間が流れていた。
沈黙を破ったのが談志だった。
唐突に「チンポというのは」と何の脈絡もない話をし始めたのだ。
「(ビート)たけしは出せといったら出す、三枝(現・桂文枝)は出さない、鶴瓶は出せと言わなくても出す」※1
いつだってチンポ丸出しの人生
まさに鶴瓶は、チンポを出し続けてきた人生だ。
では、鶴瓶にとっての「チンポ」とはどういった意味を持つものだろうか。
ひとつは、その開けっぴろげなスケベな性格を象徴するものだろう。
そしてもうひとつ、実はパンクな反骨精神の象徴でもあるのだ。
鶴瓶のチンポ丸出し人生は学生の頃から始まっている。
クラスの人気ものになったのもチンポがきっかけだった。
「技術」の授業中、やはりそれを露出すると自ら万力に挟んでみせたのだ。
クラス中が大爆笑。一気にクラスの人気者になった。
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