しがらみを気にせず大胆に人間関係を捨てる
仕事やビジネスを進める上で大切なのは「信用」だ。つくり方は人それぞれだが、私からアドバイスできることもいくつかある。
まずは人間関係の断捨離だ。
生活保護を受け、どん底の暮らしをしている男が「誰かの役に立ちたい」と自らを鼓舞するシーン。人は誰かの役に立っていると実感することが生きがいとなる。相手への「Give」とは、無条件に誰かの役に立つことだ。(『闇金ウシジマくん』生活保護くん編は24巻、25巻)
つい先日、ジムでランニングしながら観ていたニュースで、こんな傾向が報じられていた。最近、ビジネスで成功した60~70代の大人が、人間関係の断捨離をしているそうだ。閉じた仲間関係に入っていくのではなく、嫌々付き合っていた仕事上の付き合いや仲間との縁を切って、新たな人間関係を築くきっかけにするらしい。
たいていの定年後のサラリーマンは、会社勤め時代に付き合っていた人間関係を、腐れ縁で維持しようとするものだ。現状維持したほうがラクな一面もある。しかし、定年後の人生において、会社勤め時代の人脈がそれほど有効に生きるはずはない。
無駄と思った人間関係を大胆に断ち切れる人は、信用をつくりやすい。次にいく勇気を発揮した姿勢が評価されるからだ。
多少の利益があるから我慢して、気持ちにそぐわないものとずっと一緒にいる人は、自分にウソをついている証だ。ウソつきが、信用されるわけがない。
もちろん一定の人間関係や、保っておかなければいけない付き合いは、大事にするべきだ。けれど、いらないと感じたもの、不愉快なものは躊躇わず捨てていい。
ムダな人間関係に忙殺され、窮屈そうに生きている人に、ポジティブな印象は感じないはずだ。人間関係の断捨離は、すればした分だけ、その人の信用値が上がると言っても過言ではない。
嫌いな人、会いたくない人には、はっきりそう言えばいい。
そもそも、人間関係がうまくいっていない人は、誰にでも好かれようという気持ちが強すぎる。100人のうち100人に好かれる、そんなことなどありえない。進歩的なことをしたり、目立ったりするようなことをしたりすれば、必ずアンチは出てくる。
だが、必ずしもアンチを否定的にとらえる必要はない。
アンチがいるということは、必ず同じ数かそれ以上の支持者がいるし、アンチの声からも何らかの知見を得られる可能性があるからだ。
八方美人は、最もいけない立ち居振る舞い方だ。何をやっても必ず一部には嫌われるのだから、嫌われる勇気を持って行動しよう。
「Give and give!」おまけに「Give!」
私の知る限り、好き嫌いをはっきりさせる人は、みんな信用されている。みんなに気に入られようとすると、結果的に誰からも好かれないし、信用もされないのだ。家族でも、仲間でも、不愉快なものは切り捨てよう。
『闇金ウシジマくん』には、その切り捨てを躊躇い、生き地獄を招いてしまった人たちの愚かさも、リアルに描かれている。情けやしがらみにとらわれて、いらないものを持ち続けていても、いいことは何もない。