さて、下準備が終わったところで、いよいよ調理開始です。
玉ねぎを炒める
熱した鍋に油を加えてあたためる
鍋を熱し、油を加えて温めます。油は冷たいときにはトロリとしてますが、温まってくるとサラッとします。鍋を傾けると温まった油は素早く移動する。それで判断してください。
玉ねぎを加えて炒めます。加えた瞬間、ジャーッと音がする。あの瞬間が僕は大好きなんです。さあ、やるぞ! って気持ちが引き締まる。
玉ねぎをひと混ぜしたら、塩をくわえる
木べらでさっと混ぜ合わせ、それから塩を加えてさらに混ぜ合わせます。このタイミングで加える塩は、材料に表記された塩の半量くらい。こうすることで脱水効果があり、玉ねぎの水分が出やすくなる。すなわち、玉ねぎに火が通りやすくなるんです。
玉ねぎ炒めで大事なのは、“放置プレイ”と“観察プレイ”です。見方によっては、なんだかちょっと怪しい行動ですね……。とにかくできるだけ玉ねぎを触らない。上手な人ほど触らない。できるだけ触らないで我慢しながら、よく観察する。これが大事です。理由は玉ねぎにキッチリ熱を伝えたいからです。
玉ねぎ炒めで大事なのは“放置プレイ”と“観察プレイ”
たとえば、想像してみてください。あなたは、今、真夏の砂浜に裸足で立っています。ジリジリと照り付ける太陽光をたっぷり浴びて熱を持った砂が、足の裏を容赦なく攻め始めます。熱い! まもなくじっと立っていられなくなるでしょう。
鍋底にピタリと張り付いた玉ねぎはこれと同じ状態です。じっとしていられなくなったあなたは、砂浜の上を走り始める。すると、足の裏の熱は緩和される。鍋中の玉ねぎを木べらで動かし続ける行為はこれに当たります。あまり熱くないということは、砂浜の上を走り続けているのと同じ。要するに玉ねぎには熱が十分に伝わっていないということになります。すなわち玉ねぎはいつまでも炒まらない。玉ねぎにしっかりと火を入れ、熱を伝えるためは、適度な放置が必要なんです。
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