玉ねぎ炒めのコツは放置プレイと観察プレイ。「インドカレー」の火入れのコツ

日本のカレー界で幅広く活躍し、「東京カリ〜番長」の調理主任としても知られる水野仁輔さん。これまで作ってきたカレー本は40冊近く、カレーのために出版社も立ち上げ、たくさんの「おいしいカレー」を究めてきました。 そんな水野さんが教えるおうちで作れる究極においしいカレーとは。
何回食べても飽きがこない「インドカレー」編、第3回。いよいよ下準備が終わって調理開始です。調理にはいろんなコツや目安があるのです。

 さて、下準備が終わったところで、いよいよ調理開始です。

玉ねぎを炒める

熱した鍋に油を加えてあたためる

 鍋を熱し、油を加えて温めます。油は冷たいときにはトロリとしてますが、温まってくるとサラッとします。鍋を傾けると温まった油は素早く移動する。それで判断してください。

 玉ねぎを加えて炒めます。加えた瞬間、ジャーッと音がする。あの瞬間が僕は大好きなんです。さあ、やるぞ! って気持ちが引き締まる。

玉ねぎをひと混ぜしたら、塩をくわえる

 木べらでさっと混ぜ合わせ、それから塩を加えてさらに混ぜ合わせます。このタイミングで加える塩は、材料に表記された塩の半量くらい。こうすることで脱水効果があり、玉ねぎの水分が出やすくなる。すなわち、玉ねぎに火が通りやすくなるんです。

 玉ねぎ炒めで大事なのは、“放置プレイ”“観察プレイ”です。見方によっては、なんだかちょっと怪しい行動ですね……。とにかくできるだけ玉ねぎを触らない。上手な人ほど触らない。できるだけ触らないで我慢しながら、よく観察する。これが大事です。理由は玉ねぎにキッチリ熱を伝えたいからです。

玉ねぎ炒めで大事なのは“放置プレイ”と“観察プレイ”

 たとえば、想像してみてください。あなたは、今、真夏の砂浜に裸足で立っています。ジリジリと照り付ける太陽光をたっぷり浴びて熱を持った砂が、足の裏を容赦なく攻め始めます。熱い! まもなくじっと立っていられなくなるでしょう。
鍋底にピタリと張り付いた玉ねぎはこれと同じ状態です。じっとしていられなくなったあなたは、砂浜の上を走り始める。すると、足の裏の熱は緩和される。鍋中の玉ねぎを木べらで動かし続ける行為はこれに当たります。あまり熱くないということは、砂浜の上を走り続けているのと同じ。要するに玉ねぎには熱が十分に伝わっていないということになります。すなわち玉ねぎはいつまでも炒まらない。玉ねぎにしっかりと火を入れ、熱を伝えるためは、適度な放置が必要なんです。

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水野仁輔

日本のカレー界で幅広く活躍する、出張料理ユニット「東京カリ〜番長」の調理主任の水野仁輔さん。これまで作ってきたカレー本は100冊あまり、カレーのために出版社も立ち上げ、たくさんの「おいしいカレー」を究めてきました。その活躍ぶりに、糸井...もっと読む

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コメント

akifer_s こういうの読むと楽しいよね…… 7ヶ月前 replyretweetfavorite

lesprit_mao_26 殆どの人は、飴色玉ねぎをめざして必死に焦がさないように火加減気にして炒めるのだけどそれNGなのよね... |ファイナルカレー|水野仁輔|cakes(ケイクス) https://t.co/BDT3H5eYhz 約2年前 replyretweetfavorite

sizukanarudon 水野仁輔 https://t.co/KYZTsPhPDa とにかくできるだけ玉ねぎを触らないで我慢しながら、よく観察する。 はじめは強火で触らず放置。 徐々… https://t.co/85yIA9IlzI 3年弱前 replyretweetfavorite

yanabo かっこよすぎるぜ、水!  3年弱前 replyretweetfavorite