良くてヒット、大半がフォアボールで押し出しみたいな試合を日々続けていると思う
「セックス特集」。
某女性誌が、センセーショナルな見出しで定期的にそういう特集を組んでいる。
その、あまりの直球自信満々ぶりに、「セックスって特集していいんだ!」と納得させる説得力があった。
ちなみに、セックス特集号は、他の号より格段に売り上げが上がるらしい。ということは、年中セックス特集やってればいいんじゃないかと思われるだろうが、中身は結構、年中セックス特集である。
この女性誌だけではなく、他の女性誌でも、セックスに関してのページは必ずある。と言っても、エロページというわけではなく、実に真面目に女のセックスライフ充実を図る記事であり、〝行為の最中までそんなに冷静になられては困る〟というクールぶりだ。
上記の「セックス特集」女性誌の内容は、割とエロい上に、付録に「豊川悦司の官能小説朗読CD」という一線も二線も画した状態である。それは良いが、女が全員それでヌいていると思われると困る。
では、女性誌に書かれているセックス記事とは、一体どのようなものなのか。
資料となる雑誌は、女性が男性に対して思っているセックスの疑問を1~10位まで設定し、それに対して200人の男性たちがアンケート形式で答えるという、実に理性的な内容である。
しかし、気になるのは200人の男たちが「有職者男性」に限られているという点だ。さすが、アラサー女性が読む雑誌。無職の男の意見など、最初から聞いていないのである。「てめえのセックス自慢は定職に就いてから聞いてやる」という、しょっぱなから襟を正したくなるような先制パンチだ。
では、まず女性のセックスの疑問・第1位。
「前戯が短い。すぐ挿れたがる。イッたらすぐ寝る。なんでそんなに自分勝手なセックスなの!」
キレている。
「とてもクールな記事」と書いたが、しょっぱなからブチ切れである。
しかも、これが1位ということは、世の中の女性はセックスに対し、進んで明かりを点けに行く気にもならない不平不満を抱えているということになるし、これだけ言い尽くしているのに、まだ2~10位まであるという、もはや底すら見えない怒りの深さを感じさせる。
ここまでくると、〝セックスが音楽性の違い発祥の地〟と言われても信じてしまうし、以下10位まで女の愚痴を聞くよりは、すぐにでも「しない方が平和!」という結論を出してしまった方が良いような気がする。
確かに、皆が皆、「君は最高だ! 素晴らしい」と、男が国友やすゆき状態になったり、女が快感のあまり、「ちくしょおおおおお!! ひとでなしいぃ!」などと絶叫するようなセックスをしているとは思えない。
良くてヒット、大半がフォアボールで押し出しみたいな試合を日々続けていると思う。