最終回「今、『雨月物語』を世に問う意味を考えてみる」

幻想怪奇文学の古典である『雨月物語』に真正面から「漫画訳」に挑んだ意欲作を8年越しで上梓した武富さんが盟友・宮本大人さんと作品に込められた思いやその裏話を語る対談最終回。

『鈴木先生』を片っ方で描き、
片っ方でホラーいっぱい描いてる人が
どうつながってんのかがよくわかる。

—ちょっと話が変わりますがアテレコライブについて。すごく熱を入れてやってらっしゃったじゃないですか。そのへんの原動力というか。すごいお忙しい中をわりと陣頭指揮を執って。(※アテレコライブ:漫画の原画を加工した効果音、BGMがついた動画に合わせて声優がキャラクターのセリフを舞台に立って観客の前で演じるライブイベント)

宮本 合宿までして。

—合宿までして。まあ、もともと演劇のほうをやってらっしゃったというのはあると思うんですけど。

(武富さんの長野の別荘でアテレコライブのキャスト有志が3日間泊まり込みで稽古をした)

武富 やっぱり、そっちの夢が鈴木先生連載開始とともに、ブツ切りになってるので、今回のご縁で、なんか失われた夢が10年ぶりにつながった感じがあって、それをやってるっていうのはありますかね。ちょっとやっぱり若い人たちと何かやってるときは、それこそ『カムイ伝』でいうと、ちょっとカサグレみたいな(笑)、自分の果たせなかった夢を誰かに託すみたいな、そんな感じがありますかね。

—(笑)

武富 ちょうど『鈴木先生』やってるときは、忙しいけど頑張って両立させて、阿波踊りのお囃子の太鼓、ずっとやってたんです。それがなんか……

宮本 あ、そうか、今やってない。

武富 そうなんですよ。そのあと糸が切れて、ちょっと休んだら、復活できなくなっちゃって。阿波踊りってシーズンが決まってるんで、4月から練習始めて夏に向けて仕上げるんですけど、ちょっと代替わりして、ルールが厳しくなって、4月の頭からガッチリ練習に出てない人は本番に出られないということになったんで。ちょうどたまたまその2、3年、4~5月がやたら忙しいときが続いちゃって参加できなくて、数年あくとちょっと戻りにくくなって。

そんな中で、今回こうやってアテレコライブで毎週1回稽古にガツンと出てると、やっぱり健康的にやっていくには、この手の何かが僕には漫画の合間に必要なんだなというのがわかって。それこそ阿波踊りやめちゃってから、体調崩しちゃいましたしね。昨年には髪の毛も抜けちゃいましたけど、これも何年かのストレスの蓄積なんだろうなと。

宮本 やっぱり体を動かして声出してるっていうのは大きいですよね。

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この連載について

初回を読む
雨月物語』を「漫画訳」しました!

宮本大人 /武富健治

名作『鈴木先生』の著者・武富健治さんの『漫画訳 雨月物語』(PHP研究所刊)が好評発売中です。幻想怪奇文学の古典である『雨月物語』に真正面から「漫画訳」に挑んだ意欲作は芸人で芥川賞作家の又吉直樹さんも絶賛です。8年越しの執筆を終えた武...もっと読む

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