第5回 メディアの境界を突破する 

2014年、「ランドスケープと夏の定理」で第五回創元SF短編賞を受賞してデビューした作家の高島雄哉氏。その新鋭が、来る10月に上映されるサンライズのSFアニメ『ゼーガペインADP』のSF考証をすることに! 今回はデザインディレクターのハタイケ・ヒロユキ氏に注目。SF考証のための情報収集の最前線は? 小説とアニメの境界を超えるSF設定とは? そしてついに執筆支援AIの姿が明らかに!?

■ハタイケ・ヒロユキさん

ぼくがハタイケさん出会ったのは今年のとある新年会でした(詳しくは第1回)。あれから八ヶ月、ぼくは日々たくさんのことを教えられています。今回はその教えの一端をご紹介!

ハタイケさんについてはご存知のかたも多いかと思います。1980年代からデザイナー、イラストレーターとして多くのアニメ作品に関わっておられます。『New Story of Aura Battler DUNBINE』『星方武侠アウトロースター』『覇王大系リューナイト』『NG騎士ラムネ&40』などの代表作も多数あり、企画段階からのアニメの作り方について詳しく教えていただいています。

『ゼーガペイン』ではハタイケさんは原作・キャラクター原案・デザインディレクターを担当されています。原作者として作品の世界観や物語を作り上げ、キャラクター原案としてほとんどのキャラクターの性格や外見を提案し、デザインディレクターとしてメカから日常品まで多くのビジュアルを設定しておられます。

■情報収集の最前線?

ハタイケさんは非常に活動的なかたで、アニメ業界を飛び越えて企業や大学の研究者と繋がっています。ぼくが取材エッセイ「想像力のパルタージュ」でお世話になったAI研究者の三宅陽一郎さんとも当然のようにお知り合いで、その縁でぼくはハタイケさんにお会いできたのでした(三宅さんは最近『人工知能のための哲学塾』『絵でわかる人工知能』を出すなど、ますます活躍中です。)

2006年の『ゼーガペイン』では、キョウやカミナギがVRゴーグルをつけてVRゲーム「ペイン・オブ・ゼーガ」をプレイします。VR元年と呼ばれる2016年の今でこそ、VRゴーグルはよく見かけるものになりましたが、2006年の作品に家庭用ゲーム機としてVRを取り入れたのはハタイケさんの研究の成果です。

©サンライズ・プロジェクトゼーガ

先日の8月31日第2回VRイベントでお世話になったクラスター社もハタイケさんからご紹介されたわけですが、当然コネというのは黙っていても作れるものではありません。積極的にVR系の発表会や公開セミナーに参加して、あるいはSNSを駆使して、最先端の情報をどんどん収集しながら人脈を広げているのです。

ハタイケさんからは新年会以来、こういうのもありますよとVR技術の体験会やAI公開講座などをお知らせしていただいています。そうした場で知り得た情報は、もちろん『ゼーガペインADP』のSF設定に反映しています。

インターネットや論文、書籍などを調べるのは、SF考証としては当たり前の下準備であって、さらに最先端の知見を得るためには、まさに研究や開発が行われている現場にうかがうことが必要なのです。

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高島雄哉

SF作家による、サンライズのSFロボットアニメ『ゼーガペインADP』の製作現場レポート!

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