ブラック企業を辞めても勤め先はいくらでもある
会社でも学校でも家庭でも、狭い世界のなかで暮らしていたら負のスパイラルに陥りやすい。まして上司や先生や親など、他人に自分の行動の決定権を委ねては絶対にいけない。
『中年会社員』編のワンシーン。バナナの中身を見たくないというのは、「自分には動き出す力がない」「才能がない」というダメな人の思いこみを象徴している。しかし、皮を剥かなければ何も始まらない。仮に腐りかけていたとしても、腐りかけのバナナ同様、使い道はいくらでもある。(『闇金ウシジマくん』中年会社員くん編は29巻)
狭い世界にいると、人は「外へ逃げるのは負け」というプライドが働くようで、なかなか出ていこうとしない、自分への圧力が生じる。いじめや搾取を受け続けても、ここで何とか頑張ろう、頑張れば解決できると、勝手に思いこんでしまう。親とか上司の方も、そう洗脳してくるだろう。
私のような人が「いますぐ飛び出せばいいのに」と言っても、まず動こうとしない。出れば簡単にラクになれると頭でわかっていても、狭い世界で苦しむ方を選んでしまう。外からの意見が聞けない、聞きたくないモードになってしまうのだ。
解決策が狭い世界のなかにあればまだしも、たいていは存在しない。外の世界の方が選択肢は多いし、いくらでもラクなれる方法はある。「外の方が広いのだ」という、当たり前の常識を取り戻す。
仕事の悩みが原因で自殺をはかる若者や中高年サラリーマンは少なくない。事情を聞けばだいたい勤め先のブラックな環境に苦しめられているか、「クビになったら人生おしまい」と思いこんでいる。
そんなわけがない。さっさと会社なんか辞めたらいい。しばらく給料がなくて困るなら、知り合いに借りるとか生活保護を申請するとか、しのげる方法はいくらでもある。職種を選ばなければ、コンビニとか配送業とか製造業とか、多くの業界は常に人手不足なので、特別な技能がなくても勤め先はいくらでもあるだろう。
自分の能力よりも自分の置かれた環境を疑おう
もし自暴自棄になるほど悩んでいるというのなら、まず自分の能力よりも、自分の置かれた環境を疑おう。狭すぎる世界に閉じこめられていないか? もしくは自分を勝手に閉じこめていないか?
人を死に追いやるような環境が、まともであるはずがない。いつでも飛び出せる勇気を持ってほしい。そのために外の情報は、たくさん採り入れておこう。耳の痛い、不愉快な情報はもしかしたら、外からの助けなのかもしれない。腹の立つ意見や情報にも触れて、常に思考の幅を広げておくことだ。