三浦展さんと語る、京都という街の“読み方” 【第3回】

ブログが20万ページビューを記録、Yahoo!ニュースや、日本テレビ系「NEWS ZERO」で紹介、9月10日にイースト・プレスより書籍化された『もし京都が東京だったらマップ』。その作成のきっかけのひとつには、あのベストセラー作家との出会いがあった。今回は、同書に掲載されている、『下流社会』等のベストセラーで知られる“街歩きの達人”三浦展さんと、著者・岸本千佳さんの対談の一部をご紹介する。今回はその前編である。

「街歩きの達人」三浦展さんとの出会い

私のマップ制作を語るうえで外せないのが、社会デザイン研究家の三浦展さんとの出会いです。

三浦さんはベストセラー『下流社会』(光文社新書)をはじめ、『ファスト風土化する日本』(洋泉社新書y)などで都市、消費、文化の観点から現代人の価値観や消費動向について研究されているマーケティングアナリストです。

三浦展さん(写真はすべて撮影:森秀治)

私は三浦さんから散歩の作法を教えていただいたといっても過言ではありません。というのも、三浦さんはご自身の研究と趣味も兼ねて東京の下町や住宅地を中心に散歩されていて、私はその散歩によく同行させていただいたからです。

三浦さんの知人の出版関係者や建築関係者複数名と一緒に街を散歩し、その後は三浦さんの事務所でお手製のご飯をいただきながら散歩を振り返るのがお決まりの流れでした。散歩というにはおそれ多いそれは、贅沢な解説つきの住宅街の街歩きでした。地主は街の坂のいちばん高いところに住んでいるなど、私がいままで知らなかった世界の扉が一気に開いたような日々でした。

三浦さんの解説をおさらいしながらあらためてひとりで散歩し直すと、いままで見えてこなかったさまざまな要素をひもとくことができるのです。

今回、本書の執筆のため、三浦展さんを京都にお招きして、一緒に京都の街を散歩し、その後、私の事務所で京都という都市の魅力について対談させていただきました。

観光は東側、住むのは西側

岸本千佳さん

岸本 三浦さんは京都にはよく来られるのですか?

三浦 中学2年生のときの修学旅行で来たのが最初で、その次は結婚したころ。もう30年も前の話だね。サラリーマン時代に仕事で来たことはなかった。一度、大阪での仕事帰りに上司に連れられて先斗町に来ただけ。独立してからは、講演に来たときに1泊して、街をブラブラするようになった。あと、京都造形大学の講師として来たこともあったしね。京都の土地勘が少しできるようになったのは、10年くらい前かな。

岸本 娘さんが京都の大学に通われていたんですよね?

三浦 娘が京都に来たのは5年前。それからは京都に来る機会が増えたけれども、いずれにしろ娘が住んでいる左京区や美術館が集まっている東山区に行くことが多いね。

岸本 結構、エリアが偏っていますね。

三浦 そうだね。西側はあまり行かない。金閣寺や二条城以外で街を歩いたのは5回くらいかな。西陣、堀川、船岡温泉、角屋とか。観光で来ると、どうしても鴨川より東側になってしまうよね。美術館も哲学の道も東側にあるから。

岸本 住んでいる人でいえば、鴨川より西が圧倒的に多いです。鴨川より東のエリアは、京都の人はわざわざ行く感じがします。セカンドハウスとしては人気ですが。

三浦 東京の人も浅草や向島に行くことは少ないからね。観光客ほど有名なところに行く。最初にパリに行くと、まずシャンゼリゼに行って、エッフェル塔を見て、オペラ座を見るという定番コースになるのと同じだね。

岸本 たしかに、東側のほうが交通の便もいいですからね。京阪電車や叡山電鉄が走っているし、バスも充実しています。

三浦 パリでも慣れてくると、ピカソ美術館のあるマレ地区に行ったりするでしょ。僕はどんな都市に行っても本屋さんめぐりと美術館に行くので、京都ではどうしても東側中心になってしまう。東京でいえば上野と神保町にしか行っていないような感じじゃないかな。

京都は「住む場所」として考えるとわかりやすい

岸本 今回、このマップをつくったきっかけは、京都全体を神楽坂みたいに思っている東京の人が多いのではないかと思ったことなんです。

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もし京都が東京だったらマップ」の魅力

岸本千佳

2015年の年末に個人ブログにアップされ、見るみるうちにシェアされ、結果的にブログは20万ページビューを記録。Yahoo!ニュースにも取り上げられ、最終的には日本テレビ系の「NEWS ZERO」で放映されるまでに話題を呼んだ「もし京都...もっと読む

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