若者は新しい時代を感じとるセンサー
藤野 ここで、若者に伝えたいメッセージなどはありますか?
吉松 伝えたいというよりは、むしろ、僕が若い人たちから日々、メッセージをもらっていると感じます。若い人たちの行動って、そのものがメッセージなんですよね。
藤野 どういうメッセージを感じますか?
吉松 やっぱり、みんな発想も行動も、より自由になってきていると感じます。組織という概念にとらわれていないし、いい意味で既存の常識が崩れてきている。
藤野 わかります。よく、若い人に対して、自分の若いころを引き合いにしてアドバイスしようとする人がいますが、それは意味がないと思うんです。いまの40代が大学生の頃は、インターネットも携帯電話も普及していなかった。企業も職種も、新しいものが次々と現れている。時代が全然違いますからね。それよりも、いまという時代を一緒に生きる「同時代人」としてコミュニケーションする方が、よっぽど伝わります。
吉松 そうですね。こちらから唯一伝えることがあるとすれば、それは自分たちが新しい感覚を持ったセンサーであることに、気づいてほしいということですね。
藤野 あなた方には価値がある、ということを伝えたいですよね。
吉松 いま本当に、時代が変わるフェーズに来ていると思うんですよ。Windows95が出た前後と同じくらい、いや、それ以上に変化の匂いがプンプンしてる。
いま、15歳くらいの女の子のファッションが、世界中で均一化してきているんですよね。ネパールに行っても、みんななんとなくH&Mっぽい服を着ている。
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