好き」を仕事にする前にやっておくべきこと

「人間の本当の限界」について突き詰めた為末大さんの連載。今回のテーマは、「好き嫌い」と成功との関連性です。世の中では、好きなことに努力を投下することこそ、成功の秘訣といわれています。しかしそれは本当なのか。向いていないことは避け続けてもよいのか。定石に疑問を呈す発想、あなたはどう受け止めますか。話題の新刊 『限界の正体-自分の小さな檻から抜け出す法』より、限界の檻を脱出するヒントを明かします。

「向いてない」ものにこそヒントがある

自分に向いていることをするのは、スポーツでもビジネスの世界でも定石ですが、一時的に自分に向いていないことを取り入れることで、限界の檻から抜け出すことがあります。

向いていないことの中から、新しいやり方が生まれることがあるからです。たとえば、僕は自分の会社の経営をしています。しかし、会社員の経験がほとんどないので、組織のマネジメントのしかたがわからない。そこで、マネジメントに詳しい人に教えてもらう体制をつくることを考えました。

同じように、プレゼンの資料をつくることも得意ではないので、資料づくりのうまい人につくってもらうしくみを考えています。もし自分が、会社経営や資料づくりに向いていれば、まわりの力を借りるという発想は出なかったと思います。

向いていない、できないと思うと、チャレンジしたい気持ちが湧かなくなります。

ですから、向いていないことをやるときは、言葉づかいを変えてみてください。

「向いていないのではなく、慣れていないだけ」

そう思うようにすると、心が軽くなり、やってみようと思えるようになります。

習慣とは、習って慣れることです。慣れるまで続けられれば、たいていのことはできるようになるはずです。

好きなものが見つからない理由

『「好き嫌い」と経営』(東洋経済新報社)の編著者で、一橋大学大学院の楠木建教授と対談をさせていただいたことがあります。楠木教授は、努力と成功の関連性について、こんなことをおっしゃっていました。

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この連載について

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限界の正体ー自分の見えない檻から抜け出す法

為末大

400mハードルの日本記録保持者で、3度のオリンピックに出場した為末大さんの新境地。人間にとって、才能とはなにか。限界とはなにか。人間の心について学び、アスリートの成功と挫折を見るなかでたどりついた考えとは?? 長い間、人間の限界と呼...もっと読む

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コメント

hdsntw 向いてないことをする 全く同感です ブラック企業をお勧めします 1年以上前 replyretweetfavorite

iorem00 https://t.co/La1qS203Dg 2年弱前 replyretweetfavorite

Singulith >「アメリカでトレーニングをしていたとき、アメリカ人は、日本人に比べて、経験の幅が広いと感じました。アメリカ人は、若い頃から、あれも、これも、とさまざまなものに手を出しているので、経験の幅が広く、体験の量が多い」  https://t.co/aPvFpI4CiA 2年弱前 replyretweetfavorite

mayumiura “アメリカ人は、若い頃から、あれも、これも、とさまざまなものに手を出しているので、経験の幅が広く、体験の量が多い。” 2年弱前 replyretweetfavorite