山瀬まみに惹かれっぱなし

リオ五輪女子レスリング53kg級で、吉田沙保里が涙の銀メダル。まさかの敗戦に、すぐさま武田砂鉄さんに「次回吉田沙保里でどうでしょう!?」とメールを送ったところ、返ってきたのは「山瀬まみで」。五輪以外にもニュースが盛りだくさんのこの時期の人選としてはあまりに不可解すぎて、思わず「ぜひ」と答えてしまいました。武田さんを駆り立てた、山瀬まみの魅力とは一体なんだったのでしょうか?

魚肉ソーセージが好きだが、他人が食べているのは見たくない

編集者から、「次回取り上げるのは吉田沙保里でどうでしょう」という、時流に乗っただけの提案メールが来たので「いや、山瀬まみでお願いします」と手厳しく返信した。何たってこちらは古本屋でたまたま手に入れた、山瀬まみが20歳の頃に記したエッセイ集『安売り王女さま』に没頭しているところで、これがとにかく読ませるのである。マリオの衣装を脱ぐのがちょっと早すぎたのでは、などと細かな指摘を連ねて、時流に乗っている場合ではない。

山瀬は好きな男性のタイプについてこう書く。「眼鏡をとった、所ジョージさんの顔が、かなりいい線だと思う。疲れた目をしてる。じっさい疲れているんだと思うけれど。いまにも危ない世界へ飛んでいってしまいそうで、シャツのすそつかんで、いっしょに飛ぼうかなと思う」。好き、の表現がとても素敵だ。そんな山瀬はレスリングの恰好が許せないらしく、特に男が「お尻とお尻のあいだに汗をかいているのがいや!」と言い切っている。唐突に、魚肉ソーセージを食べるのが好きだけど、他人が魚肉ソーセージを食べているのは見たくないという理不尽な通告をしたと思ったら、野球を「なんとなく始まって、いつの間にか終わってる」から嫌いとする清々しさ。思ったことをそのまま書く筆致が気持ちいい。

「おとなびていない子どもなんて、いないはずなんだ」
この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

cakesの人気連載「ワダアキ考」、5人の書き下ろしを加えてついに書籍化!!

この連載について

初回を読む
ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

noncoma29 ためしてガッテンの山瀬まみ引退の事が書いてあって嬉しい。 3年弱前 replyretweetfavorite

xxxxx69q 岡崎京子と対談してたんだ 3年弱前 replyretweetfavorite

megamurara 「メロンのためいき」当時、子供心に歌が上手い人だなと思っていました。確かにマリオの衣装を脱ぐのは早すぎたのかもしれません。 3年弱前 replyretweetfavorite

chinyanyatsu https://t.co/RvtBitSWEt 3年弱前 replyretweetfavorite