佐藤和歌子
第五回・独活
趣味は酒、特技はおいしそうに食べること、愛読書は飲食店のメニュー。そんな佐藤和歌子がお届けするショートコラムです。独活=独身活動……ではなくて、天ぷらがおいしいアレですよ。
近年になって、母がカルチャースクールの味噌作りに参加するようになりました。数人単位で大きな樽に仕込んで、半年後、熟成したものを分け合う。それをまた分けてもらったものを、私も普段は使っているのですが。
残りわずか、大さじ一杯分くらいになってしまった。味噌汁には足りないし、さて、どうしよう? ふきのとうがあれば蕗味噌ができるけど、もう時期を過ぎてしまったのか見つからない。ホタルイカは旬だけど、酢味噌付きで売ってるから意味ないし。あれこれ思いを巡らせながら商店街を流していると……お、いいもの発見。三本で百五十円。よし、買った。
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この連載について
佐藤和歌子
季語と晩酌をテーマにしたショートコラム。月四回更新(毎週木曜、第五はお休み)。
著者プロフィール
1980年、神奈川県生れ。ライター改メ雑文家。慶應義塾大学環境情報学部在学中に『間取りの手帖』を刊行。単著に『間取り相談室』『角川春樹句会手帖』『悶々ホルモン』、ほか福田和也『病気と日本文学 近現代文学講義』では構成を担当するなど、雑多な文章を商う。
Twitter:@wwwac_1980