「嫌いな人います?」SMAP・中居正広にそう問われ、笑福亭鶴瓶は断言した。
「いないんや。みんな好きやねん」※1
同じことを嵐の二宮和也に訊かれた時も、同じように「いないいない」と返している。
「いままででだよ?」とさらに二宮が追求すると鶴瓶は改めて少し思い返して答えた。
「いないなぁ。嫌いとかいうのは、やっぱ好きやから嫌いなんやろ、たぶん。なんか気になるから嫌いになってしまうねんけど、やっぱり好きなんやろ、それは」※2
鶴瓶が、「人」に対して常にスケベに接していけるのは、こうした思考があるからだろう。
トラブルに自ら首を突っ込む男、それが鶴瓶。
「鶴瓶さんがスゴいと思うのはさ、災いの方に向かっていくじゃないですか」
糸井重里は鶴瓶のスゴさをこのように語る。それに対し、鶴瓶も「そうやろね。意識なく入っていくよね」と同意する。
こんなことがあったという。
自身が主催しているライブ「無学の会」の開演が迫っている時だった。
鶴瓶が会場である「無学」に向かう途中、車から降りると、若い男がパジャマ姿の女性を引きずり回していた。
ただの痴話喧嘩なのか、暴行事件なのか、何が起こっているか分からない。女性が悲鳴を上げているが、周囲の人たちは遠巻きに見ているだけで誰も助けようとしない。
鶴瓶はその人垣をかき分けて中に入っていくと、2人を引き離し、男に事情を聞き出し始めた。
普通、芸能人だと、躊躇しがちだ。どんな因縁をつけられて、トラブルに発展するかわからない。しかも、ライブの開始時間は迫っている。それでも、鶴瓶は放っておくことができない。
「しないで見過ごしてししまうことの方が疲れる」※3
面倒なことに首を突っ込んでしまう“癖”があるのだ。
ある時などは、「じつは私、妊娠してます」と相談してきたファンがいる。
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