本気のカレー道具たち

日本のカレー界で幅広く活躍し、「東京カリ~番長」の調理主任としても知られる水野仁輔さん。これまで作ってきたカレー本は40冊近く、カレーのために出版社も立ち上げ、たくさんの「おいしいカレー」を究めてきました。 そんな水野さんが、お家で簡単に作れる、最高においしいカレーのレシピ。
今回は、お鍋に木べら、まな板、スパイスの収納容器まで実は大事な家庭での調理器具についてです。

 つぎの「インドカレー」編に行く前に、調理器具についても、お話します。
 これレシピ本に書かれていない、でもとっても大事なところです。なにせお家でつくる長い付き合いになるパートナーですから。

 鍋がなければ、カレーは作れません。
 鍋には色々な種類がありますが、まず、最も大切なことを教えます。カレーを作る鍋は、片手鍋に限る!

 これは、意識したことがない人がほとんどじゃないでしょうか。むしろ、両手鍋のほうがカレーに適していると思っている人の方が多いと思います。なぜなら「カレーは“煮込み料理”だ」という固定観念があるからなんですね。ことこと煮込む料理にはなんとなく大き目の両手鍋がよさそう。でも、カレーは、煮込み料理ではありません。炒めてから煮る、“炒め煮料理”なんです。しかも、煮込むよりも炒めるプロセスの方が重要だし、テクニックも必要なんです。炒めやすいのは、断然、片手鍋。できるだけ片手鍋を準備してください。

 あとは材質と形状です。材質は、フッ素樹脂加工の鍋がおすすめです。アルミや鉄鍋、銅製の鍋を使いこなせる自信のある人はそれでもかまいません。でもカレーは割と強い火で材料を焦がさないようにしっかり加熱していくことが大事ですから、フッ素樹脂加工の鍋は焦げにくくて便利なんです。

 形状は、底面積が広く、深さのある鍋がベスト。なぜなら、炒める時は底面積が広いほうが加熱が進む。でも煮込むときには深さがある方がおいしい対流が生まれるからです。ただ、これは、少々矛盾したリクエストなんです。4人前のカレーを作るときに底面積の広い鍋、フライパンのようなものを使ってしまったら、当然、煮込むときに水分は広がってしまって深さが出ない。炒める時と煮込むときで鍋を変えられればベストですが、そんな面倒なことできませんよね。

 形としてお勧めしているのは、少し大き目の行平鍋です。ただ、ほとんどの行平鍋はアルミむき出しですから、ちょっと難易度が高いかな。フッ素樹脂加工で行平鍋のような形をしたものがあれば、理想的です。ま、どんな鍋があるのかは、家庭ごとにバラバラですから指定はできませんが、肉じゃがを作るときに使うような形がいいのかもしれません。

 ともかく、大事なのは、片手鍋だということです。

木べら

 鍋の次に大事なのは、木べら。炒めるにも煮込むにも木べらは実力を発揮します

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水野仁輔

日本のカレー界で幅広く活躍する、出張料理ユニット「東京カリ〜番長」の調理主任の水野仁輔さん。これまで作ってきたカレー本は100冊あまり、カレーのために出版社も立ち上げ、たくさんの「おいしいカレー」を究めてきました。その活躍ぶりに、糸井...もっと読む

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sizukanarudon 水野仁輔 https://t.co/BIFnDllojq カレーは、煮込み料理ではありません。 炒めてから煮る、“炒め煮料理”なんです。 しかも、煮込むよりも炒めるプロセスの方が重要だし、テクニックも必要なん… https://t.co/PPkqWCfC81 2年弱前 replyretweetfavorite