さて、前回までは丁寧に素材をご紹介してきました。ここからは欧風カレーの調理に入っていきます。
まずは下準備をして、スープのベースをつくる作業からです。面倒な気持ちになるかもしれませんが、下準備はとても大事です。ここを丁寧にやれるかどうかで仕上がりのカレーは差が出ますよ。
下準備の手順も大事。どこから手をつけるべきかが、効率を左右したりもする。意外とセンスが問われるんです。
玉ねぎを切る
玉ねぎを半分にするところまではみんな同じ
玉ねぎの切り方は、メジャーなものでいえば、“みじん切り”、“スライス”、“くし型切り”などがあります。どんな風に切ってもいい、というわけじゃない。玉ねぎの役割によって切り方は変わります。切る前に決めたいのは、玉ねぎをどうしたいのか。
根本の部分を皮付きのまま切り取る
選択肢は大きくふたつ。「1.ベースにする」か、「2.具にする」か、です。ベースにしたければ、玉ねぎは加熱後につぶれてほしい。だから、みじん切りやスライスなど細かく切ることになります。
真ん中に切込みを入れて、スライスにするのが水野流
でも具にしたいなら大きい形のまま残しておきたい。だったら、くし型切りがいい。
くし切りはざっくりと8等分に
そして、今回の欧風カレーでは、神業を披露します。「ひとつの玉ねぎでベースと具のふた役を演じてもらう」。欲張った考え方ですが、これが可能なんです。これは今までのカレー界で、誰も提案しなかった新手法。僕自身にとっても初めての公開です。調理のプロセスで詳しく説明します。お楽しみに。ひとまず、くし型に切っておいてください。
香味ジュースを作る
「香味ジュース」なんていうものは世の中にはありません。造語ですから。でも、カレーがおいしくなりそうな響きだと思いませんか? カレーは香りと味を楽しむ料理なんです。その両方がこのジュースで生まれます。
にんにくとしょうがは包丁の腹の部分に体重をのっけて潰しましょう
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