週刊ダイヤモンド
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第5回】 リアルな戦争の補助機能 無法状態のサイバー攻撃
昨年12月23日、ウクライナ西部の都市イヴァーノ=フランキーウシク周辺で数時間に及ぶ停電が発生した。事前に標的型メールによって電力監視制御システムの端末にマルウエア(ウイルス)が仕掛けられていたのが原因だ。ウクライナ保安庁は、ロシアからのサイバー攻撃であると断定、発表した(ロシア側は否定)。
この攻撃が周到だったのは、停電と同時に電力会社の電話システムにもDoS攻撃(一斉に大量の接続要求を行ってサービスを妨害する行為)を行っていたことだ。通信網をまひさせて復旧を遅らせ、混乱を増幅させるといった複合的な攻撃は、物理的な軍事作戦においても常とう手段だ。サイバー攻撃はいまや、リアルな戦争の補助機能として、軍備の一つと目されている。
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この連載について
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複雑怪奇な国際情勢を理解するために、地政学的な見方の重要性が増している。地政学では、ある地域の政治、経済、軍事、社会的な動向には、その地理的な位置や形が大きな影響を与えていると考える。また、その地域や民族が持つ行動原理を知るには、現在...もっと読む
著者プロフィール
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