期待に応えようとするとうまくいかないメカニズム

リオ・オリンピック開幕で盛り上がる中、「人間の本当の限界」について語った連載。今回は、「期待に応える」ことについて、そのメカニズムを語ります。なぜ、親や上司の期待に応えようとすると行き詰まるのか。新刊 『限界の正体-自分の小さな檻から抜け出す法』より、限界を超えるヒントを紹介します。

周囲の期待は、「想像の範囲内」

限界の檻をつくる要素のひとつが、周囲の期待です。

世の中の人の期待は、たいてい世の中の「想像の範囲」内にあります。ということは、期待に応えようとすると、想像の範囲の中でしか活躍できません。周囲の期待に応えることは、言い換えると、社会の檻の中で最大限、頑張ることと同義ではないでしょうか。かけられた期待以上の結果は出せない。そんな気がします。

僕も現役時代は、周囲の期待に違和感を覚えたことがありました。

銅メダルを獲ると、次は金メダルを期待されます。背負う期待が大きくなれば、それだけ、自分の成績や振る舞いにがっかりする人が増えることになります。期待の度合いが大きくなるほど、失望の度合いも大きくなるわけです。

期待に応えられなかったときは、期待はずれとなじられることもあって、僕も若いときは、周囲の反応に傷ついたことがありました。

けれど次第に「僕は僕でしかない。まわりの期待に応える義務はない。周囲が勝手に期待しているだけだ」と割り切って考えられるようになって、平常心で受け止められるようになりました。

まわりの期待に応えるのをやめ、走ることをただ楽しむことにしたのです。

親の期待が苦しい理由

他人の期待を満たすだけの生き方は、他人の人生を生きることと同義です。

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400mハードルの日本記録保持者で、3度のオリンピックに出場した為末大さんの新境地。人間にとって、才能とはなにか。限界とはなにか。人間の心について学び、アスリートの成功と挫折を見るなかでたどりついた考えとは?? 長い間、人間の限界と呼...もっと読む

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コメント

plus_color_km わかる! https://t.co/1OLeAaKspJ 2年以上前 replyretweetfavorite

DJkazma69 為末さんの文章が好きだ。 2年以上前 replyretweetfavorite

magia_mathia 教育現場にもありふれた光景。潜在的に刷り込まれているこの感覚から離れられなければ最期が待っている。 https://t.co/eBlyrsiuFk 2年以上前 replyretweetfavorite

restart20141201 ゛「僕は僕でしかない。まわりの期待に応える義務はない。周囲が勝手に期待しているだけだ」゛ 2年以上前 replyretweetfavorite