前回の記事では、「他人と自分を比べても苦しまない方法」として、自問自答を繰り返し、自分の基準をしっかり持つことが重要だとお伝えしました。ところが、少しずつ自分のなかに基準ができてくると、他人と比べるのは悪いことではなく、むしろ自分の基準を磨くいいチャンスだと思えるようになったのです。
今回は、「他人と自分を比べても苦しくならない方法」のその先、他人と自分を比べることで、より自分の基準を明確にする方法について、お話していきます。
Facebookで生まれるネガティブな感情
「自分の基準」を持っていなかったころの私は、Facebookなどで他人の投稿を見るとネガティブな感情が沸いてきて、自分の内側にあるドロドロとしたゴミ溜めを覗いているような気持ちになっていました。
たとえば、友人・知人が仕事で結果を出して昇進している様子や、自分にはできないことを達成している姿 、ほかにも幸せそうな家族の日常、美味しいものや旅行を楽しんでいる写真など、ポジティブな投稿を見るたびに、「いいな」「うらやましいな」という感情だけでなく、「くやしい」「なんかムカつく」という感情が溢れていたのです。
自分がこうした感情を抱いていることは恥ずかしいし、みじめなので絶対に誰にも知られたくはありません。だから、そんな心のゴミ溜めがあることを知りつつも、いつもフタをしてなかったことにしていたのでした。
しかしそれから数年が経ち、自分の基準を持てるようになった今は、心のゴミ溜めに押し込んでいたネガティブな感情のひとつひとつを取り出して、
「どうしてうらやましいと感じてしまうのか?」
「これは本当に自分がしたいと思えることなのか?」
「もしそうだとしても、それは今やりたいことなのか?」
と、それぞれ感情の出どころや、そう感じる理由について自問自答できるようになったのです。
私は、これらの感情を「燃やすゴミ」「燃やさないゴミ」「リサイクルゴミ」の3つに分別して処理していきました。
たとえば「燃やすゴミ」に分別できる感情は、世間一般では「いいね」と思われることだから、つい自分も「いいね」と思ってしまっただけのもの。自分の基準に基づいて落ち着いて考えてみれば、私自身は心から「いいね」とは思えないことなどです。だから、うらやんだりすることもなし! 焼却!
「燃やさないゴミ」に分別するのは、「うらやましい」と思う気持ちと「いいや、うらやましいとは思えない」という感情が 入り交じっていて、どちらか結論が出ない場合。これはどういうことなのか、まだ自問自答を続ける必要ありなので、燃やさず「要検討すべし」に分別。
「リサイクルゴミ」は、自分が本当に心からうらやましいと思ったもの。これは、私がそうなりたいと思う理想に対する嫉妬の感情。ならば、そうなれるよう励みにする燃料として再利用させてもらおう。リサイクル決定!
と、こんな具合です。
すると、ただひたすら溜まり続けていたゴミ溜めも整理が進み、むやみにネガティブな感情を溜め込むことがなくなってきました。なんなら、そのゴミ溜めに埋もれた感情のなかにこそ、自分の本当の「欲」が隠れている場合だってあるのです。
自分の基準をしっかり意識している今、他人と自分を比べることは、さらに自分を知り、自分の基準をブラッシュアップするための重要な作業になりました。
比べる相手は、自分と違うほどいい
ならばと、どんどん他人と自分を比べて自分の基準磨きを進めていきたいところなのですが、相手は誰でもいいわけではありません。
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