夢を見ることの功罪
世の中の人は、アスリートに対してどんなイメージを持っているでしょうか。
「一流のアスリートほど、大きな夢に向かって、ストイックに生きてきた人たちだ」
ととらえているかもしれません。
たしかに選手のインタビューを聴くと、彼らが小さな頃から夢に向かって一心不乱に努力をしてきた姿が感動的に浮かび上がります。しかし実際のところ、オリンピック選手の統計データによると、子どものころからオリンピック選手を目指してきた人は、全体の40%以下だということがわかっています。
成功を収めたアスリートでさえ、はじめから壮大な夢や目標を持っていたわけではないのです。
もちろんアスリートは、なんらかの目標を設定し、それに向けてトレーニングをしています。世界一になるという壮大なものもあれば、力を出し切るという抽象的なものも、この試合で3位に入るという具体的なものもあります。ですが、結果を出しているアスリートほど、
「遠くにある大きな目標よりも、目の前にある小さな目標を優先している」
というのが僕の体感知です。
大きな夢よりも大切なこと
僕は、多くのオリンピック選手にお会いして、目標設定に関するインタビューをしたことがあります。
すると、この統計データを裏づけるように、ほとんどの選手が、はじめは大きな夢や目標を持っていなかったのです。
では、どうして彼らは成功を手にできたのか。
理由はこのことに尽きると思います。
「目の前の問題を解決し、改善を繰り返す」
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