山田朱莉
原体験は、恋する真壁くん。隠れて没頭できる楽しさ
取材中、山田朱莉の発言が一番熱を帯びたのは、真壁くんの話をしている時だった。何のことなのかは本文を見ていただくとして、彼女のマンガの好みは母親の影響が大きいという。「昔のマンガの方がバラエティに富んでいて面白いです」と話すように、その原点は過去の作品にあった。
—— 今回選んでもらった『ときめきトゥナイト』って、リアルタイムで読んでたマンガではないですよね。
山田朱莉(以下、山田) はい。お母さんがマンガ好きで、それがきっかけで知った作品です。当時はほんとに二次元が好きすぎて、周りの恋バナみたいな話題にも入れなかったんですよ。皆は誰々くんが好き!って盛り上がってるのに、「朱莉は誰が好きなの?」って聞かれても、真顔で「え? 真壁くん(真壁愛良・『ときめきトゥナイト』の登場人物)だよ」って答えるくらい、のめり込んでました。
—— でも、三次元で気に入ってたクラスメイトとか実際はいたのでは?
山田 いや、今もずっと二次元ですね。結構ヤバいんですよ。
—— 真壁くんは山田さんの理想像だと。
山田 『ときめきトゥナイト』って第1部から第3部まであって、主人公が変わるじゃないですか。私が最初に読んだのが、第3部だったので、真壁くんとヒロインの蘭世(江藤蘭世)が一番好きですね。で、蘭世がぱっつんで超絶ロングだったから、うちも蘭世になりたいと思って髪を伸ばしたんですよ! ヤバいですよね(笑)。
—— それくらい夢中だったってことですよね。じゃあ、ストーリーというかキャラクターに魅了されてしまうんですね。
山田 そうですね。かっこいい男の子はほんと全部好きになる。最初にちょっとかっこいい感じの無口な男の子が、主人公の女の子と仲良くなっていって、普段は口にしないこととか言い出したりすると「キャー!」ってなっちゃう(笑)。
—— (笑)。ギャップですね。
山田 少女マンガあるあるですよね。一見クールなタイプのキャラの方が熱いことを考えていたり、主人公のことが実はめちゃくちゃ好きだったり、でもその気持ちを言えなくて……みたいな。で、おしゃべりな子とか元気な子の方が裏でちょっと工作してたりとか、内心では何考えてるかわからない。そういう設定もたまらないですし、いい感じの雰囲気になって「君が好きだ」みたいな告白シーンになったりすると、私は読んでる途中にパタンってページを閉じるんですよ。いったん深呼吸して落ち着くんです。「……フーッ」って。それを新幹線の中でやってたら隣の人に何回も見られて恥ずかしかったです。だから普段は一人で隠れてキュンキュンしてますね。お母さんにも見られたくないので。
—— でも、そう考えるとお母さんの影響が大きいですね。
山田 はい。だって私が小っちゃい頃に『Dr.スランプ』の単行本を全部借りてきて、子供に見させるんですよ(笑)。『うる星やつら』のマンガもそういうふうに見させられたし、お母さんの影響でマンガ好きになったんだと思います。
小林れい
主人公たちの個性を発見する喜び。リアリティのある少女マンガに感動
淡々とした話し振りで説明してくれるから分かりにくいかもしれないが、夢アドの中で少女マンガへの愛情が一番深いのは、おそらく小林れいだろう。コレクション欲が強いらしく、「ちょっとつまらないマンガでも一冊買ってしまうと、結果的に全部揃えてしまう」と語るように、本そのものにも愛着がある様子。そんな彼女のオススメを聞いてみた。
—— 小林さんはブログやツイッターでもマンガに絡めた投稿をよくしてますよね。いつからマンガが好きなんですか?
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