「メンヘラ」はもう死んだ。死語だ。
メンヘラの連載をやっておきながら、どこかで勝手にそう感じていた。
私自身はずいぶん前に脱したし、最近まわりにメンヘラがいなかったからかも。
だけど、昨今Twitterで”メンヘラ”と検索すると、雪解けに咲きはじめた花のよ うに鮮やかなメンヘラ事例がどんどん咲き乱れ、こっちにも?あっちにも?
それどころか、この連載を始めてから、「社内にこんなメンヘラいるよ」「いまの彼女メンヘラだったわ」などの話が多く寄せられるようになった。
くわしく聞けば「え、 それもメンヘラ?!」と驚くほどにメンヘラという言葉の内訳は変化していることにも気付いた。
ビジヘラ、縛ヘラ、スピヘラ、淫ヘラ……全然絶滅してない!なんならホヤホヤのあらたなメンヘラ概念までガンガン生まれ続けてる!(ていうか私が勝手に仕分けしている)
あなたが知ってる「メンヘラ」はもういないかもしれない。連載も気付けば20回を超え、あからさまな心機一転感とともにポケモンGOならぬメンヘラGOを手にした気分で、街に繰り出し、さまざまなヘラをみつけにいくよ!
形容詞になったメンヘラ
2013年7月12日、きゃりーぱみゅぱみゅ、Twitterにてつぶやく。
「メンヘラみたい…」
携帯電話がフリーズしたことに「パニックやばいどうしよう泣きそう」などとつぶやき、直った途端「わーい!ひゃっほー!」と喜んだきゃりーぱみゅぱみゅが、自虐表現として最後につけたその一言「メンヘラみたい…」が、差別発言か否かという議論がごく一部のネットユーザーの間で勃発した。
これは「メンヘラ」という言葉が「精神疾患を持つ人」を指すのか「感情の変化が激しく、それを素直に吐露して相手の心配を過剰に煽るなどの“メンヘラ的な”性格の人」を指すのか、定義が曖昧なことにより起こった議論である。
わかる。批判してる人の主張も、批判してる人を批判してる人の主張も。
だってメンヘラという言葉の解釈は時代によって変わっているのだから。
メンヘラは、隠語から、キャラクター属性になり、形容詞になっている。
この連載では、ポリコレな話は置いといて、元メンヘラとして、ストリートの感覚でメンヘラをアレしている。レペゼンストリートな読者のみんなわかってくれるよね??
たとえば最近(息子の命令で)一日2回は”アナ雪”見てるんだけど、「感情だだ漏れ」というだけでアナ王女を「メンヘラっぽい!」と思ってしまう自分。
もはやリストカットしてなくても、クスリ飲んでなくても、人前で突然泣かなくても、束縛しがち、依存しがち、ポエムつづりがちなど”一部がメンヘラ的”であればメンヘラと呼ばれつつある。
というわけで、ストリートのメンヘラの生態をアレしていきたい。
時をかけるメンヘラ
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