ユウカにとっての不幸とは、人生にいつだって本気で、正直に真面目に生きていれば、いつか報われると思っていることだ。
" 自分の気持ちに噓偽りなく生きる。そして本当の自分を大切にする。"
心の中のリトルユウカはいつだって正直者だ。NOといえば、NOだし、YESといえば、YESだ。その判断がブレることはない。その声に従っていれば間違いはないとユウカは思っている。どんなに辛い出来事に遭遇したとしても、後から考えれば「いい経験だった!」と笑える日がくると信じている。だって、心の声に従って、そんな出来事にぶつかったのなら、きっと、それは自分にとって必要な経験だったはずだから。ユウカは、自分の直感を何よりも信じている。
(ユウカが直感を外れたことがない、と思い込んでいるのは、この考えがあるため)
だから、水に良い言葉をかけ続けたら、きれいな結晶ができて水が美味しくなるとか、植物に毎朝挨拶し続けてたらきれいな花が咲くとか、水素水を飲み続けると身体から余計な酸素が抜けて酸化しなくなるとか、頭では理解できないことも、心が理解すればすぐに信じることができた。
探し続ければ夢はみつかるし、夢も諦めなければ叶うと信じているし、
自分にとってのベストパートナーも、心のリトルユウカのおもむくままに行動していれば、いつか見つかる。そして、その相手とのロマンチックな結婚も求めていればいつか……。
夢は逃げない。逃げるのはいつも自分。(by 高橋歩)*
ユウカは、夢を諦めそうになると、この言葉を唱える。あんまり暑苦しすぎて人前では言えないけど、好きな言葉だ。真実と思う。
ユウカは、先日、親友のしおりから「ときめき」を外して男選びをしろ、と言われてしまった。正直、しおりの不倫話は驚きだったが、こっちの言葉は、あまりピンと来なかった……。「ときめき」を外して何を基準に選べばいいのよ。
ビリーブ ユア 鳥肌
(by 高橋歩)*
2番目に好きな言葉が心に浮かぶ。初めて聞いたときは、ヤヴァイ! まじ、そうだと思った。
直感派を自認するユウカの心のど真ん中をどんぴしゃで捉えた言葉だ。この言葉を信じたからこそ、結婚式場を何度もキャンセルもしたし、遠くでも送り迎えしてくれる彼氏を振ったし、ハゲ男と不倫にも落ちたし、男を天秤にかけるような真似もできたのだ。ユウカの中では一本筋が通っている。ビリーブ マイ 鳥肌。
※高橋歩……中田英寿以外で旅を職業にした唯一の日本人。自分の旅の思い出を元にした詩集や書籍を発表し、そのライフスタイルに憧れる根強いファンも多い。年に1度、旅祭というフェスを主催する。その日は東京中の暑苦しい若者が会場に集結するため、都心部の体感温度はやや下がるといわれている。
しかし、ことここに及んで、ユウカは素直になっていた。
しおりの言う通りにした方が、案外うまくいくのかもしれない。だって、直感を大切にした結果がこれだ。いまはまだ「いい経験だった」なんて笑える心境でもない。2人の男からフラレて、この先どうしようっていう女が、これまで通りなんて笑えない。やっぱり何かを変えなきゃいけない気がする。
しおりは、「目玉焼きの食べ方」とか「口癖」とか、なんでもいいから、ときめき以外で男を見る基準を持てって言ってた。
うーん、何も思いつかないな。
「目玉焼きの食べ方」なんて観察したこともないし、「口癖」だって、好きな口癖なんて……。
「任せろ」
ふいに思い出した元カレ隆二の口癖。(「結婚式場の予約をキャンセルする女」に登場)元カレ隆二はいつも「任せろ」ってちょっと偉そうに言ってた。それがなんか可愛くて、ユウカは笑いながらいつも聞いてた。今思えば、隆二の「任せろ」は大好きポイントだったな。
それからユウカは隆二のことをいろいろと思い出した。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。