ダラっとした服を着てさらにダサくなる「ブスパイラル」に陥るブス
夏である。
ブスに限らず、多くの女がこの季節のために、ちょっと前からダイエットや脱毛を始めていると思う。
その理由は水着を着るためだったり、水着を着る予定はないが、いつ海に誘われてもいいように、だったりする。後者の場合、成功率は銀行預金の金利以下であるが、とにかく夏の装いに耐えうる体にしようとするのだ。さもなくば、周りの人間の目が耐えなくてはいけなくなってしまう。
それに失敗した者は「服かよ」というような、肌や身体の線の露出を極力排した水着での「入水自殺スタイル」で海に行くことになるし、陸でもスタイルがバレないようなダラっとした服を着るため、さらにダサくなるという「ブスパイラル」に陥ってしまう。
古来より、「オシャレは我慢(見る者を含める)」と言われており、見た目を重視する代わりに何かを犠牲にしなければならない。真冬でも、生足を放り出しているJKを見ればわかるように、寒暖に耐えるのは基本中の基本。機動力、通気性無視、謎のベルト地獄、そして衣服としての利便性に反比例する値段。このような多くの屍の上に、オシャレは成り立っているのだ。
さらにオシャレは、オシャレしているときだけ我慢すれば良いものではない。
そしてオシャレとは、オシャレなアイテムを身につければ完成するというものでもない。むしろ、アイテムが上級になればなるほど、身につける者の実力が試される。
パリコレに出てくる服など、オシャレすぎて1メートル間隔で職質されること請け合いなものばかりだが、それをなぜ「これが最先端だ」と自信満々で出した上、同じく最先端である、ファッション界の宗谷岬的な人に「わかる」と、言わせられるかというと、トップデザイナーがデザインしたものを、トップモデルが着ているからだ。
これをそこら辺のブスが着たら、パリコレは一気に仮装大賞になるし、欽ちゃんや香取慎吾がどれだけ懇願してもランプは全く上がらない。