【公務員】
リストラなく手当も厚い
おいしい仕事に潜む落とし穴
倒産やリストラの心配がなく、年功序列の昇給が約束され、さまざまな手当も付く。退職後は天下りできて、厚生年金より厚遇といわれる共済年金まで……。
転職サイトを運営するビズリーチの協力により、「子どもに勧めたい企業」をアンケートで聞いたところ、公務員が堂々の2位にランクインしたように、「親方日の丸」の人気はいまだに根強い(アンケートの詳細は、連載最終回「子どもに勧める企業ベスト20 & リード・ホフマン(リンクトイン共同創設者兼会長)インタビュー」の図3‐4参照)。
ただ、ひとくちに公務員といっても、主に中央官庁で働く国家公務員と、地方公共団体で働く地方公務員では、待遇や労働環境に大きな違いがある。
例えば、あまり知られていないが、国家公務員1種試験合格者、いわゆる「キャリア」の場合、給与に加えて「副収入」がある。経済産業省の女性職員が明かす。
「講演料や原稿料で小づかい稼ぎをしているキャリアは多い。私もよく課長補佐時代、高級ホテルのディナーをごちそうになった」
公務員の副業は原則禁止されているが、講演や寄稿は承認を得れば可能。国家公務員倫理規程では講演料は1時間当たり2万円程度、原稿料は400文字4000円が「目安」とされているが、高度な専門知識を有するキャリアはこの範疇にとどまらない。
例えば、昨年10~12月の局長や審議官といった幹部の副業は385件、そのうち「2万円以上の報酬」は270件に上る。