棚橋弘至がいる限り、この国のプロレスは大丈夫

プロレスキャスター・三田佐代子さんの著書『プロレスという生き方』からの連載はついに最終回。「100年に一人の逸材」棚橋弘至選手の後編です。かけがえのないライバルだった中邑真輔選手が退団しアメリカに旅だっても、棚橋選手は日本の新日本プロレスのリングで戦い続けています。そんな姿を見続けてきた三田さんは、そこに何を感じたのでしょうか。

「ご苦労さん。もういいよ」の声も

 プロレス界の救世主として、棚橋弘至の名を冠した著作や写真集、インタビュー記事が数限りなく発売された。メディアの露出も段違いで増え、プロレス会場にファンは溢れている。椅子の数がめっきりと減った体育館の片隅で試合前にトレーニングをしながら、「絶対この会場の隅までぎっちぎちにお客さんを入れてやる」と誓った棚橋の宣言通りに、プロレス界は盛り返した。

 かつて棚橋がたったひとりで行っていた地方大会の前のプロモーション活動も、棚橋に続く若いレスラーたちが今は分担して行うようになっている。試合後にお世話になった人たちやファンとの打ち上げに出かけるのも変わらずに棚橋が続けていることで、「前は20人くらいだったので全員と話ができたんですけれど、今は100人単位なので物理的に廻りきれなくなってしまって」と棚橋は苦笑する。

「本も出させて頂いて雑誌の表紙もあって、棚橋時代の評価に繋がってめちゃくちゃ感謝してるんですけれど、なんか感覚として、一仕事やり終えた男。ご苦労様ってなってないかなって。産卵を終えたサケみたいな存在になってるんじゃないかっていう危惧はあるんです。産卵を終えて後は激流に流されるだけみたいな(笑)。そうじゃないんだよっていうのをまたちょっとアピールしていかないとなって。ご苦労さん的なのちょっとあるじゃないですか。タナハシよくやってくれた、でももういいよみたいな。いやまだまだ頑張るからっていうね。そこにどうシフトチェンジしていこうかっていうのがこれからの課題ですね」

太陽と月
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プロレスという生き方

三田佐代子

能力や技術だけでなく、己の肉体と肉体、そして人生をぶつけあうのがプロレス。プロレスは幾度かの困難な時期を乗り越えて、いま新たな黄金時代を迎えています。馬場・猪木から時を経て、現在のプロレスラーは何を志し、何と戦っているのでしょうか。長...もっと読む

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コメント

345m 「プロレスという生き方」から連載して頂いていたcakesもいよいよ最終回です。あの名シーンを描いて下さった澁谷玲子さんのイラスト必見です< 3年弱前 replyretweetfavorite