ロボコンの優勝経験から、スケルトニクスが生まれた|阿嘉倫大(スケルトニクス株式会社CEO)〈中編〉

見る人に強烈なインパクトを与える、搭乗型外骨格「スケルトニクス」。このプロジェクトは、沖縄高専のロボコン部のメンバーで立ち上げられました。動く様子をネットにアップしたところ、世界中から反響が。現在も全国のイベントや科学館のサイエンスショーに招待され、海外からも出展オファーが舞い込んできます。このスケルトニクスがどうやって生まれたのか、発案者である阿嘉倫大さんにうかがいました。


ロボコンの優勝は、プロジェクトマネジメントの成果

—阿嘉さんとものづくりとの出会いは?

もともと、工作全般が好きだったんです。父親が建築関係の仕事をしていて、家に大工道具などがたくさんあったことも関係しているのかな。子どもの頃から、紙工作、粘土細工、編み物なんかもやってました。中学3年で進路を考えたときに、沖縄高専(沖縄工業高等専門学校)のパンフレットを見て、ここの「機械システム工学科」ならものづくりができそうだと思って進学を決めたんです。沖縄高専ってわりと最近できた学校で、僕は2期生でした。

—機械科の授業はどういうことを習うんですか?

設計法、材料力学、熱工学、流体工学、材料学……いろんな授業がありました。工業分野の技術者になるための知識を身につけることができる学科です。1年次から機械の使い方の授業などがあって、そうした実習はすごく楽しかったです。

—そして、そこでロボコン(アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト)部に入る。ロボコンのロボットってどうやって作るんですか?

決まったやり方は存在しないんですよね。しかも僕たちは学校の2期生ですから、ロボコン経験者の先輩がたくさんいるという状況でもなかった。基本的には、まずどういうロボットにしたいかアイデアを出し合って、その年のコンテストのテーマ・ルールが発表されたら、それに合わせて戦略を立てる。で、作り始めるんですけど、誰も作り方をよく知らないから、うまくいかないんですよ。1年生の時はボロ負けしました(笑)。でも、大会に出ると他校のロボットが見られるから、すごく参考になるんです。

—たしかに、そこで初めて知ることは多そうですね。

「僕らが諦めた技術が実現できてる……!」とかね(笑)。ロボコンって競技中はみんなピリピリしてるんですけど、終わると他のチームともすごく仲良くなれるんです。同じ目標に向かって切磋琢磨した仲間ですからね。それで、いろいろロボコン特有の技術を教えてもらいながら、年々パワーアップしていきました。そして、ついに設立5年目で、競技部門で全国優勝することができたんです。

—すごいですね! その時はどんなロボットを作ったんですか?

毎年競技課題が設定されるのですが、その年は「生命大進化」がテーマで、多足歩行、多足から二足への変身、二足歩行の3つが課題でした。僕らはネッシーを模した多足歩行ロボットの頭上に、恐竜型の二足歩行ロボットを載せるというアイデアで勝負したんです。

—おもしろい。優勝できた理由はなんだと思いますか?

勝負に徹したから、だと思います。ロボコンに出場するチームには、技術力を試したい、観客に楽しんでもらいたいなど、いろいろな価値観があるんです。ロボコンは、競技部門の優勝の他に審査員の投票で選ばれる「ロボコン大賞」という賞があって、それがもっとも名誉ある賞だとして大賞を目指すチームもたくさんいます。でも、沖縄高専は僕が2年生の頃からは、優勝にフォーカスして走ってきたんです。勝つためにはどうすればいいか、徹底的に考えた。極端に言うと、作りたいものを作るより、勝てるものを作る方に振ったんです。僕が優勝して思ったのは、少なくとも優勝についての勝負は、ロボコンは技術力の勝負ではなく、目標を設定し、プロジェクトを遂行することだということ。

勝負に徹したロボコンの反動で、「作りたいものを思う存分作ろう」と思った

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consaba 勝負に徹した 3年以上前 replyretweetfavorite

Hayakawashobo 【本日更新】  3年以上前 replyretweetfavorite