生まれたアイデアは誰のものですか?
Q.イノベーションの段階には、集合知的に行う拡散パートと、個人で行う収束パートがあって、類推して仮説を導く瞬間はひとりだけど、その仮説を検証していく過程は集合知化できるということですね。そのプロセスの循環というのは、そこで生まれたアイデアに対するオーナーシップを集団化させていくということでもあると思います。例えばそれは、デザイン事務所のあり方を考える上でもポイントになりそうですね。
堀井:そう思います。アイデアが絞られて実現に向かっていく時に、そのアイデアを自分個人のものと思うのか、グループ全体のものと思うのかは大きな違いです。良いアイデアを出してそれをどこかに納品するということであれば,個々が出したアイデアを投票制で選択すればいいかもしれないけど、自分たちがそれを実現していくというのであれば、アイデアをそのグループ全体のものとして考えていけるかが大切です。その気持ち作りという面もi.schoolにはあるのです。
Q.本来デザイナーというのはオーナーシップの塊です(笑)。賞を目指すということや名を上げることもそのひとつで、僕自身も気張ってやってきたところがあったけど、最近はちょっと違うなと思っています。それは、オーナーシップが集団に属している方がうまくいく場合があると思っているからなんですが、オーナーシップのあり方は組織にどんな影響を与えるとお考えですか?
この連載について
いま、僕たちが話を聞きたい人
インタビュアーという存在にスポットを当てるこれまでにないインタビューサイト「QONVERSATIONS(カンバセーションズ)」。毎回異なるクリエイターや文化人がインタビュアーとなり、彼らが「いま、本当に話を聞きたい人」にインタビューを...もっと読む