こんにちは、きのコです。
前回の記事の中で、Bさんという新しい恋人ができたことをAさんに報告した時のエピソードにふれましたが、「なぜAさんは嫉妬しないの?」と思われた方もいるでしょう。
今回は、ポリアモリーを実践する人たちの最大のテーマのひとつといってもいい「嫉妬」についてお話したいと思います。
ポリアモリーがどういうことなのかよく分かっていなかった彼
Aさんとのお付き合いを始めたのは、4年ほど前。
私がポリアモリーであるということは、付き合い始める前にあらかじめ伝えていました。
とはいえ、ポリアモリーであることをカミングアウトするのは私も初めてでしたし、彼も私と付き合うまではポリアモリーという言葉を知らなかったそうです。インターネットで検索しても当時は今ほど情報も豊富でなく、Wikipediaに「ポリアモリー」の項目は一応あったものの、文章も難しいしよく意味が分からなかった、と彼はいいます。
どうなるか分からないながらに始まったお付き合いでしたが、最初は私が関東在住、彼が九州在住という遠距離恋愛だったので、会えるのは頑張っても月に1度、数日間くらいでした。
彼は、当時勤めていた会社の新しい拠点の立ち上げメンバーとして転勤したばかりで、社内にも引越先の近くにも知り合いはおらず、しかも買い物や遊びに行くのも一苦労といった田舎で、車もなく家と会社だけを徒歩で往復するような生活を送っていました。
そして毎日、家にいて時間のある時にビデオ通話で私と話すこと以外、あまり他にすることもない日々だったようです。
一方の私はといえば、「初めてポリアモリーであることをオープンにした恋人ができた! 他の好きな人たちとも、デートしていいんだ!」とはしゃいで、親しい仲間たちと遊びに出かけたりデートしたりする毎日。いきなり新しい恋人を増やすということこそなかったものの、好意をもって会う相手は2、3人いたと記憶しています。
言い争いの絶えない日々
いくら私が彼に、自分がポリアモリーで「他の人を好きになる可能性もある」ということを伝えてあるとはいえ、私と話す以外にすることがない彼にとっては、私が他の人と遊んだりデートしたりして通話ができない時間は耐えがたかったようです。
最初は私が他の人とデートすることに何も言わなかった彼ですが、次第に、不機嫌さもあらわに「早く帰ってきて」「泊まりで遊びに行かないで」と言うようになりました。
「明日は○○さんとお泊まりデートしてくるね」
「…明日は僕の帰りが早いから、通話したい。きのコさんも泊まらずに帰ってきて」
「ごめん、明日しか○○さんの都合があわないから…」
「なんで○○さんともデートするの? 僕のこと好きじゃないの?」
「Aくんのことは好きだよ。でも、○○さんや××さんのことも好きだし、彼らとも一緒に過ごしたいの」
といった調子で、次第に言い争いが増えていきました。多い時には、毎週のようにケンカしていたでしょうか。
彼が変わっていくきっかけになったある言葉
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