井上公造との接し方

118回を重ねてきた武田砂鉄さんの連載「ワダアキ考」、今回は芸能リポーターの井上公造を取り上げます。井上公造を目にするたびになぜだか違和感を覚えてしまう武田さん。「芸能人を語ること」を続けてきた武田さんが、芸能リポーター・井上公造に思うこととは?

「一般の方は驚かれたと思いますが」とか言う

っていうか、もう結論は出ているので先に述べると、井上公造を眼前にした時に覚える違和感は、一義的に「報告者」を意味する「リポーター」を名乗っているのに、自分はジャーナリスティックな日々を重ねている、とのアプローチを重ねてくるところにある。彼は、大きな芸能ニュースが発覚した後でスタジオに呼ばれると、多くの場面で「そういった情報は早い段階から耳に入っていた」「その手の噂が僕のところにも聞こえてきていた」などと言う。

たとえばSMAP分裂騒動の最中に、レギュラー出演している『おはよう朝日です』(ABCテレビ)で、井上公造はこう述べている。動画サイトで確認できたので正確に引用するが「一般の方は驚かれたと思いますが、僕らは去年の夏からこの話は聞いていたので、驚いたというより、表面化したことに驚いた」という。これはなかなか芸能ジャーナリズムを軽視している。この発言がよくできているのは、このように発言することで、あたかも自分は、スクープした週刊誌と同等かそれ以上に内部情報に精通しているとPRできる点にある。つまり、他人のふんどしで信頼を獲得していく。じゃんけんでグーを出した人に対して、「うんうん、グーを出すと思っていたよ」と指摘してくる感じ。じゃんけんに臨んだ後でそんなことを言われたら、大抵の人は「オマエ、ふざけんなよ」と突っかかるだろう。

「○○さんのこと知ってるよ」系
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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

takedasatetsu 今年6月に書いた、 3年以上前 replyretweetfavorite

yanabo 80年代はハバをきかせてた芸能レポーター。朝のワイドショーは彼らの独壇場。いまその場所に立つのはセンテンススプリング。なんの取材もスクープもない芸能レポーターって?  3年以上前 replyretweetfavorite

yummii28 今回のかゆいところに手が届いた感ったらない。裏事情といえばこの人といって登場する井上氏への違和感はこういうことか。 3年以上前 replyretweetfavorite

qazunori "ネットを中心に根も葉もない噂から広がる誹謗中傷をいくらでも浴びる芸能人や事務所にとって、後だしじゃんけんを徹底してくれる井上は「安心できるリポーター」なのだろう" 3年以上前 replyretweetfavorite