美少年に血と刀はよく似合う!? 男色と流血【前編】

今回の舞台は再び江戸。戦国の余熱をはらんだ江戸時代の男色はとにかく熱い!火のような血飛沫をあげて、一瞬の愛に人生をささげる少年たちの生きざまを是非ご覧あれ。
劉邦の宦官』や『九度山秘録』で話題の、新進気鋭の歴史小説家・黒澤はゆまが、歴史のなかの美少年を追って世界中を飛び回る人気コラム!

男色は淡い水!?

前回の源頼朝編、前々回の藤原頼長編で貴族と武士の男色やその違いについてお話しましたが、もう一度ざっくり整理してみると、下記のようになるかと思います。

貴族:

  • 情愛は淡泊で体だけのつながりの場合が多い
  • 年長者と少年の上下関係がはっきりしている
  • 政敵を従属させたり自陣営に取り込むために、ビジネス感覚で男色行為を行うことがある
  • 愛人同士かばい合い守り合うという精神は希薄で、状況が悪くなるとすぐ相手を見捨てる

武士:

  •  体よりもまず精神的なつながりが重視される
  •  年長者と少年の関係はあくまでフラット
  •  有力な家臣団を作る目的での男色行為ならある
  •  念者は少年を庇護し少年は念者に尽くさなくてはならず、状況が悪くなってもお互い死ぬまでかばい合う


総じて纏綿たる情緒を大切にした貴族の方が実はドライで、現実主義のはずの武士の方がウェットで情熱的であったと言うことが出来るのかもしれません。

江戸時代、男色・女色を比較して優劣を論じた、『色物語』では女色のことを甘い酒、男色のことを淡い水と表現していました。子供が出来るわけでもなく、少年の盛りは3~4年ほど、何より男同士の付き合いだから義をたてるのがモットーで、男と女のようにグダグダ続くことはないという考えからです。

しかし、何をおっしゃいますやら。その淡いはずの水に操を立て、2つとない命をかけた美少年は、いくらでもいたのです。

今回は「美少年に血と刀はよく似合う」と題して、男色にまつわる忍傷事件を特集したいと思います。

『葉隠』に書かれた男色
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なぜ闘う男は少年が好きなのか

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なぜ闘う男は少年が好きなのか?

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洋の東西を問わず、戦乱の時代に決まって栄えた<少年愛>。死を賭して戦う英雄の側近くに控える、あるいは金髪の、あるいはブラウンの、あるいは黒髪の少年たち――。戦士は少年に何を求め、少年は戦士に何を答えたのか。時に英雄を生むこともあった、...もっと読む

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コメント

tadaageba 我が社の期待の作家です。 https://t.co/ri3wHr2ma8 4年以上前 replyretweetfavorite

umyu_myu うわぁ、すっごい引き!!今までで一番、後編が気になる!!! 4年以上前 replyretweetfavorite