いきものがかりの右の人に惹かれる

今年メジャーデビュー10年を迎えたいきものがかり。朝の連続テレビ小説の主題歌になった「ありがとう」やNHKのオリンピックテーマソングになった「風が吹いている」など、いまや日本トップレベルの人気アーティストに成長しました。優等生イメージを抱かれがちな彼らの中で、武田砂鉄さんが今回注目したのが向かって右のギタリスト・山下穂尊。「感じが良い」に収まらない山下の違和感とは?

教育実習生っぽい「感じの良さ」

いきものがかりを見かける度に、中高時代にやって来た教育実習生という人種を思い出すのは私だけなのだろうか。教育実習生は、初々しさのなかに緊張感と清潔感が程よく同居していて、とにかく「感じの良い」状態が保たれている。すぐには馴れ馴れしくしてこないのだが、おおよその人から親しみやすさが溢れており、その上、ちょっとカッコ良かったり、ちょっとキレイだったりすると、数日もすれば人気者になる。しかし、人前となると、感じの良さをさほど出せなくなる無愛想な教育実習生もいて、そういう人はなんとなく取り残されていく。当時の私はそういう実習生を見つけて話しかけてみるのが大好きだったのだが、つまりそれが、いきものがかりでいうところの山下穂尊なのである。こっちから見て右、あっちから見れば左に位置する彼のことだ。

この連載で、昨年末の紅白歌合戦について考察した際、郷ひろみ「2億4千万の瞳」で、出演者の多くが「億千万!」と連呼するなか、その連呼を拒む山下の存在に言及した。その後、色々と彼について調べてみると、しりとりで「り」が浮かばなくて困った時に「リトル清原」を思い出して快感を覚えたとか、小さな頃はムツゴロウになりたかったとか、茶髪の頃の橋下徹に似ていると言われがちだとか、充実した周辺情報を得ることができた。石橋貴明の功績に、『うたばん』で「これまで目立たなかったミュージシャンのキャラクターを開眼させたこと」があるけれど、たとえばEvery Little Thingのギタリスト・伊藤一朗がそうであったように、おとなしいミュージシャンを見つけてひとまずほじくる場が石橋に残されていれば、山下のキャラクターって、もっと早々に浸透していたはずである。

迷いなくハーゲンダッツを買う水野
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コメント

soranomukoukara 江口君が出てきてどっきりした。右の人、黒ネイルしてたりディルアングレイと仲良かったり違和感の源の一端が解った気に 2年以上前 replyretweetfavorite

group_ikimono これ、ほっちをクローズアップして分析してる記事なんだけど、かなり面白い! ほっちの分析https://t.co/iSLCDvqb7d 3年弱前 replyretweetfavorite

alphonsepoppo 山下 ほっち の分析としては、興味深い。 3年弱前 replyretweetfavorite

BrandyIron 確かに当時ムツゴロウになりたいと言っていたな。。。(;^ω^) >  3年弱前 replyretweetfavorite