くるり佐藤征史「インターネットやフェスで変わった、ミュージシャンの生活」

cakesの姉妹サービス「note」で、ファンクラブ「純情息子」を運営中のロックバンド・くるり。くるりのベーシスト兼所属事務所代表の佐藤征史さんへのインタビュー後編では、インターネットやフェスによって変わりつつあるミュージシャンの生活と、今後の音楽活動についてお話を伺いました。

フェスで変わった、ミュージシャンの生活

加藤貞顕(以下、加藤) 前回は、くるりがnoteでやっていることや、音楽業界の変化の話などをうかがいました。2014年の4月からnoteを使い始めてからを、振り返ってみていかがでしたか?

佐藤征史(以下、佐藤) いやあ、慌ただしかったです。正直、あんまり記憶がないです(笑)。というのも、昔は一枚のアルバムを作って、そのツアーをやって、一ヶ月くらいのお休みをとる、というのがサイクルで1年をすごしていたんですよ。

加藤 なるほど。そんな生活だったんですね。

佐藤 それが、フェス文化がはじまってから大きく変わりました。夏だけだったフェスが、年末やゴールデンウィーク、春にも開催されるようになり、加えて自分たちが主催している音博という秋のフェスもあるので、春夏秋冬ぜんぶライブがあるんですよ

加藤 そうか。フェス文化以降で、ミュージシャンの生活スタイルってぜんぜん変わったんですね。

佐藤 区切りがないので、年末に一年を振り返っても、ものすごく曖昧になります(笑)。

加藤 フェスのおかげで、一年中ライブをやっているようになったのって……。

佐藤 そう、10年くらい前からなんですね。

加藤 まさにiTunes以降、CDが売れなくなった頃からですよね。フェスでの収益は、ミュージシャンの収入の中で大きいんですか?

佐藤 活動歴や知名度によって変動するので、人それぞれだと思います。自分たちがはじめてフジロックに出た時は、完全に赤字でした。ライブをやるとなると、PA、ギターテック、メンバー、マネージャーで最低でも10人を超える人たちが、動いて移動して泊まることになるので。

加藤 それでもフェスに出演する理由は、なんですか?

佐藤 色んな人にライブをみてもらえる機会が増えることですかね。若手ですと、夢のファーストステップというか、大きいフェスに出ることがステータスになったりもするので。

加藤 実績にもなるし、パブリシティにもなるわけですね。

くるりが見据える、これからの音楽活動

佐藤 昨年からの活動で大きな比重を占めていたのは、やっぱり「NOW AND THEN」ですね。

加藤 デビューアルバムから順に、アルバムの楽曲を、全曲再現していくライブですよね。

佐藤 はい。Vol.1は「さよならストレンジャー」と「図鑑」、Vol.2は「TEAM ROCK」「THE WORLD IS MINE」のアルバム2枚分で、Vol.3は「アンテナ」1枚分です。Vol.1は自分たちが演奏して楽しかったり、同世代のお客さんからの納得感を得られた感じで、Vol.2で最近の曲も少し増やしたらそれはそれでお客さんも喜んでくれたので、Vol.3で再現したのはアルバム1枚分にして、最近の曲をもう少し増やしました。


加藤 僕も何回かうかがわせていただきました。僕自身も楽しかったですし、お客さんが喜んでいる様子がよくわかりました。このツアーは、どんなきっかけではじめられたんですか?

佐藤 お客さんに年に2回、くるりのライブに足を運んでもらいたいなと思っていて、そのためには何かコンセプトが必要で。2016年はくるりがちょうど結成20周年なので、自分たちにとっても過去を振り返るいいタイミングということで、このツアーを企画しました。

加藤 なるほど。そういうツアーのコンセプトなんかも考えていらっしゃるんですね。そう、今回は社長対談ということになってるんですが(笑)、独立までは事務所に所属するアーティストという立場でしたが、今は佐藤さんご自身が自分たちの事務所の社長という立場でもありますよね。経営やマネジメント的なことはどんな感じでやられているんですか?

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メディアビジネスの未来【特別編:くるり佐藤征史】

cakes編集部

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