俳句先輩 男子くんは、何パンだい?
男子くん 決まってるじゃないですか、カレーパンっす
俳句先輩 聞くまでもなかったね。で、君は今そのパンを見て何を感じた?
男子くん 何をって?
俳句先輩 そのカレーパンに何か感じないの?
男子くん うまい! やっぱあそこのパン屋は最高だ~
俳句先輩 あっそ
男子くん 先輩は何パンですか?
俳句先輩 私はあんパンです
男子くん へぇ、珍しいですね、先輩が昼に甘いパンなんて
俳句先輩 春を惜しんでいるんですよ
男子くん ああ、ヤマザキ春のパン祭りが終わるってことですか?
春が終わるこの時期、あんパンの臍を見ると、私はセンチメンタルになってしまうのです。臍には、桜花の塩漬けが乗っていますね。パンをちぎりながら、ひと口ひと口、ゆっくり味わっていると、あんの甘さと桜のしょっぱさが混じり合います。
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