ブスの仮面を外したら、もっとブスが出てくることもある
今回のテーマは「ビジネスブス」である。
第5ブスのテーマ、「ワーキングブス」とかぶっているような気もするが、「ワーキングブス」は「働くブス」もしくは「働いてるけどブス」であるのに対し、「ビジネスブス」は「仕事としてのブス」。つまり、「お仕事は?」と聞かれたら「ブスです」と答えるブスのことである。
「職業=ブス」。カッコいい。「職業= SASUKE」ぐらいカッコいい。
しかし、職業というからには、ブスであることにより何らかの利益を生み出していなければならない。萌えキャラを延々と模写しているだけの人間が、「クリエイターです」などと名乗ってはいけないのと同じように、ただブスなだけでは、名刺に「ブス」と書いてはいけないのだ。
つまり「ビジネスブス」とは、ブスであることで利益を得、それをわかった上でブスをやっている「プロブス」のことである。ぜひ、「プロ彼女」に続く、女の勝ち組モデルとして女性誌で特集を組んでもらいたい。
仕事上でのブスといっても、普段ブスを装ってはいるが、いざという時にはブスの仮面を外し美女として活躍できる特命係長のようなブスというわけではない。それはマンガやドラマの中の話だけであり、いつもブスな女はここぞという時もブスだし、むしろブスの仮面を外したら、もっとブスが出てきたという厳しい展開になる方が多い。
そもそも、ブスである利益とは何なのか。「妻を亡くしてから失った笑顔を、君の顔を見て30年ぶりに取り戻した」と、シルクハットの老紳士に3万円渡されたというのなら、確かにそれはブスによる収入だが、そんな事を言われたら、紳士が取り戻した笑顔を暴力によって再び奪ってしまうだろう。
例えば芸能界、特に芸人の世界であれば、ブサイク、ブスを売りにしている者は多くいる。彼らの場合は、笑いを取ることが莫大な利益につながるのだから、逆に武器ともいえる。しかし、一般の女性が顔で笑いを取って、5円とか10円の投げ銭をもらって嬉しいかと言われると、どう考えても失うものの方が多い。「やったぜ」と思えるのは50円からだ。