進撃の巨人』で経験したサントラのおもしろさ

『進撃の巨人』『青の祓魔師』『キルラキル』——。36歳にして、名だたる人気アニメのサントラを手掛けてきた音楽家・澤野弘之氏。数々の有名作品を「音」で彩ってきた澤野さんに、「アニメのサントラを作る」という仕事の魅力について伺いました。現在放映中のアニメ『甲鉄城のカバネリ』公開記念インタビュー、後編です。

アニメのサントラならではの魅力とは

— 澤野さんは、連続テレビ小説『まれ』など、実写作品のサントラも作られていますよね。実写とアニメのサントラとでは、なにか違いがあるんでしょうか。

澤野弘之(以下、澤野) そうですね、音楽の作り方に違いはあまりないんですけど、ドラマよりアニメの方が、いろんなことにトライできるなとは思います。

— それは、どういう意味でしょうか?

澤野 ドラマだと、どうしても日常的な世界観の作品が多くなるので、壮大なオーケストラが流れていると浮くと思うんです。でも、アニメは巨人やゾンビが出てきたりと世界が広いから、そういう音楽もしっくりくる。
僕は最近、サントラにボーカル曲を入れる挑戦もしているんですけど、それもアニメでやるほうが色々なアプローチができるので楽しいです。

— そうなんですね。音楽ジャンルのなかでも「サントラ」を作ることの醍醐味はどこにあるんでしょうか。

澤野 サントラって、ポップスみたいに「ヒットチャートを狙う」というわけではないじゃないですか。作品に沿った音楽を作るのはもちろんですけど、その前提から外れないかぎり、今自分がやりたいと思う音楽にトライできる。
それに、作品をつくるなかで、おもしろいことにたくさん気づけるからですかね。

— おもしろいこと、ですか?

澤野 はい。たとえば、『進撃の巨人』に「リヴァイ※1」っていうキャラクターがいるんですけど。

※1リヴァイ:『進撃の巨人』の登場人物。人類が暮らす城壁の外の調査を行い、巨人と戦う「調査兵団」の兵士長。その高い戦闘能力から「人類最強」といわれている。

— 作中では“人類最強の兵士”と評される、とても人気の高いキャラクターですよね。

澤野 その「リヴァイのテーマ曲」と進撃ファンの間でいわれている曲※2があるんですが、実は、それはもともと「主人公が活躍してる曲」くらいの漠然とした注文で作ったものだったんです。
※2:「The Reluctant Heroes」(『「進撃の巨人」オリジナルサウンドトラック』収録曲)

— 「リヴァイの曲」としてつくったわけではなかった、と。

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アニメのサントラって、どうやって作るの?—作曲家・澤野弘之インタビュー

澤野弘之

『進撃の巨人』『青の祓魔師』『キルラキル』——。弱冠36歳にして、名だたる人気アニメのサントラを手掛けてきた音楽家・澤野弘之氏。数々の有名作品を「音」で彩ってきた澤野さんに、「アニメのサントラを作る」という仕事の魅力について伺いました。

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コメント

prisonerofroad #澤野弘之 #music 1年以上前 replyretweetfavorite

rossprpr えれんさん自分の活躍曲兵長に取られててウケる…… 楽曲におけるntr案件…… 1年以上前 replyretweetfavorite

recotic こういう裏方の人のインタビューがすごく好き。おもしろかった!→ 1年以上前 replyretweetfavorite

soiboshi |澤野弘之 @sawano_nZk 後編。澤野さんは洒落た他にないような音楽を作るよね。 https://t.co/cn57u0tUF6 1年以上前 replyretweetfavorite